新浪網や中国網など中国メディアは25日午前、韓国サムスン(三星)グループの李健熙(イ・ゴンヒ)会長が死去したことを伝える記事を掲載した。記事は「伝記人物(伝説の人物)」「半導体領域神話(半導体分野の神話)」などの表現で、韓国財界の“レジェンド(伝説的存在)”だったことを強調した。

新浪網の記事は冒頭で、韓国で有名な言い方に「韓国人にとって生涯逃げられない三つのことがある。自分の死、納税、そしてサムスン」があると紹介。韓国社会にとってサムスンが別格の存在だと紹介した。

李会長の最初の逸話としては、1974年に私財を投じてグループ外の半導体メーカーの株式50%を購入したことを紹介。サムスンは半導体事業を手掛けるべきと主張したが、創業経営者だった父が同意しなかったためという。結局は83年に、サムスンとして半導体事業を進めることになった。記事は「その後のサムスンによる半導体分野での神話が実現することになった」と評した。

記事はさらに、李健熙氏が87年に会長に就任すると、「李健熙氏がひとたび口を開くと、ほとんどだれも『ノー』と言えなくなった」と、会長としてのワンマンぶりを指摘した。

李健熙氏はさらに、李氏がサムスンの「量から質への転換」を紹介。さらに、刷新にも極めて熱心だったとして「妻と子以外は、すべて取り換えねばならない」という李氏の言葉を紹介した。

李氏の企業改革の典型的な成功事例としては、98年にはアジア金融危機の影響で1700億ウォン(当時のレートで約220億円)の赤字を出したサムスン電子が、99年には3兆1700億ウォン(同約3040億円)の黒字に転じたことを挙げた。ただし、李氏も常に成功したわけではなく、90年代末期には自動車会社を設立したが、2000年には撤退せざるをえなくなったと紹介した。

記事はまた、李氏の末娘が資産のない男性と恋愛関係になったが、家族に結婚を猛反対されたため絶望して自殺したことにも触れた。

記事は最後の部分で、李氏とその家族の資産にも言及。李健熙氏の死去に伴い、遺産の相続が問題になるとの見方を示した。李健熙氏の資産総額は19年9月時点で14兆8724億ウォン(約1兆3400億円)などと報じられている。

李健熙氏は1942年1月生まれで78歳だった。65年には早稲田大学第一商学部を卒業。その後、米ジョージ・ワシントン大学経営大学院でMBA課程を修了した。実業家として大きな実績を残した一方で、自国大統領への贈賄や脱税および株式市場での違法行為などで有罪判決を言い渡されたことや(それぞれ恩赦、特別恩赦)、買春スキャンダルを起こしたこともある。2014年5月に急性心筋梗塞を発症してからは、意識不明の状態が続いていた。(翻訳・編集/如月隼人)