華字メディアの世界華人週刊はこのほど、韓国人男性に捨てられたフィリピン人の女性とその子どもについて取り上げ、「フィリピンで韓国人の父親を待っている子どもは少なくとも3万人に上る」と指摘する記事を掲載した。以下はその概要。

「中国のドラマを見ると結婚に恐怖を感じるが、韓流ドラマはその逆。結婚への憧れを抱かせる」とある人が言った。だが現実は残酷だ。フィリピンには韓国人男性と付き合った後、捨てられてしまい、相手との間に生まれた子どもを1人で育てねばならない若い女性たちがいる。中には経済的なプレッシャーや周囲のうわさ話に耐えかねて子どもを捨ててしまう母親もおり、孤児院が受け入れる子どもの数が増えるにつれて現地政府も重視するようになった。こうした子どもたちは「コピノ」と呼ばれる。

では、なぜこれほど多くの女性が捨てられることになるのか。ここ数年、韓流は東南アジア全体を席巻し、韓流ドラマの影響で女性たちは「いつかオッパ(韓国語で『お兄さん』の意)と結婚する」という夢を抱いた。それは単に考えてみただけのことなのだろうが、フィリピンの学費や生活コストは安く、ソウルからマニラまで飛行機でわずか4時間しかかからない。多くの韓国人がフィリピンで英語教育を受けるようになり、韓国メディアは「2004〜08年に計10万2134人がフィリピンで学んだ」と報じた。経済の回復に伴ってこの数字はここ数年、爆発的な増加を見せ、現地女性が韓国人男性と出会うのも容易になった。そして、現地観光業の活況も出会いの機会を増やした。長年、韓国人観光客はフィリピンを訪れる外国人観光客の最多を占めており、17年は延べ160万人以上に達した。

数年前、ある女性は互いに一目ぼれした韓国人男性と交際を始めた。数カ月後、男性が韓国で結婚していることを知った女性は別れを選んだが、自身の妊娠に気付き、子どものためにと付き合いを続けた。男性は「責任を取る。ずっとそばにいる」と言ったものの、女性の出産を待たずに帰国。男性がその後戻ってくることはなく、この女性は今、周囲の視線に耐えながら1人で子どもを育てている。似た境遇の女性の中には韓国に行って「夫」を探す人もいて、韓国メディアによると約60人の女性が子どもや男性の写真を手に、四方尋ね歩いているという。

一方、こうした韓国人男性の大部分は最初から真剣に付き合うつもりなどなく、責任を負うことも考えていない。交際の動機の多くは「寂しさを紛らす」で、男性たちはここに留まることがないことも女性を韓国に連れて帰るのは不可能ということも分かっている。フィリピンでは大部分の人がカトリック教徒で、中絶はその教えに反する。身ごもった女性たちに選択のすべはなく、こうして生まれた子どもたちは最も悲惨で苦しい立場に置かれる。

統計によると、少なくとも3万人の子どもがフィリピンで韓国人の父親の帰りを待っている。さまざまなプレッシャーから母親に置き去りにされる可能性もあるが、それを免れたとしても冷たい視線や差別にさらされる。家が貧しくて退学を余儀なくされる子どもや、ストリートチルドレンになる子どももいる。無責任な韓国人男性は子どもに命を与えたが、子どもの人生への責任を考えたことはなく、最終的に一番傷付くのはこうした子どもたちなのだ。

韓国とフィリピンの両政府がこの問題に対応しなければ、無責任な男性もだまされる女性もますます増える。そうなると、より多くの子どもが捨てられることになるのだ。どのような理由があっても子どもを欲望の犠牲にしてはならない。(翻訳・編集/野谷)