企業と弁護士の情報、秘匿特権の必要=独禁法改正で自民・阿達氏

[東京 21日 ロイター] - 自民党の阿達雅志外交部会長は21日、ロイターのインタビューの中で、公正取引委員会が進める独占禁止法の改正で、企業と弁護士との間の相談のやり取りを「秘密情報」として保護する「秘匿特権」が盛り込まれない場合、海外での訴訟で日本企業が不利な情報の開示を強いられるリスクがあると主張した。これまでのところ公取委側は、秘匿特権が調査の妨げるになるとして慎重な姿勢を示しており、今後の議論が注目されそうだ。

政府は環太平洋連携協定(TPP)への対応を契機とし、企業の国際化やビッグデータの活用などIT技術の進化を背景に、独禁法の改正案を準備中で、2018年の通常国会への法案提出を目指している。

公取委は20日、改正原案を自民党競争政策調査会(原田義昭会長)に示した。価格カルテルや入札談合などの違反行為を行った企業に対する課徴金制度の見直しが柱。

具体的には、当局の調査に協力した企業への罰則を減免する措置を拡充する一方、妨害した企業には罰則を上乗せする方針を明記した。

ただ、秘匿特権は盛り込まれていないため、同党の競争政策調査会ではもっぱら秘匿特権の導入の是非について議論が集中したという。

阿達氏は「欧米およびアジアの多くの国で、秘匿特権が認められている。米国では、中国企業を対象に本国で秘匿特権を認めていない場合、その企業は米国でも特権が認められない、との判決が出た」と話す。

その上で「日本企業が米国でカルテル疑惑で集団訴訟などに巻き込まれた場合、日本企業側ばかりが情報提出を迫られるリスクが高まる」と指摘する。

たとえば、日本企業側から弁護士とのやり取りなどの情報が多数流出するケースがあった場合、日本企業がより疑われ、最終的に和解に持ちこむ局面で、日本企業側に不利になる可能性があるという。

自民党内では、阿達部会長が事務局長を務める「独占禁止法審査手続きのあり方に関する勉強会」が、今年3月に提言をまとめて公取委側に働きかけている。

一方、公取委側は、これまでのところ秘匿特権を認めれば、独禁法の調査の妨げになるとの立場だ。2015年5月の参院経済産業委員会で、阿達氏が同特権の必要性に対して質問。公取委の杉本和行・委員長が「公取委の実態解明機能へ影響されることを主な理由として、秘匿特権を認めるべきとの結論には至らなかった」と回答した経緯がある。

日弁連などは、日本企業の競争力確保観点から、秘匿特権の必要性を主張している。経済界では、海外展開による訴訟リスクに敏感な企業と、そうでない企業との間で温度差もあるようだ。

(竹本能文 編集:田巻一彦)

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