[フランクフルト 11日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の専務理事に今年就任したドイツ人経済学者のイザベル・シュナーベル氏は11日、ECBの緩和的な金融政策がなければユーロ圏は今よりはるかに弱い状況に陥っていただろうと述べ、政策の妥当性を強調した。

ドイツ出身の中銀当局者は従来、ECBの超緩和的な政策の効果について懐疑的な見方を示してきた。シュナーベル氏の前任のサビーヌ・ラウテンシュレーガー氏はECBが昨年9月に決定した利下げと債券買い入れ再開に反対した後、辞任しており、ECB理事会メンバーのワイトマン独連銀総裁も債券買い入れに反対の立場を示してきた。

シュナーベル氏は独カールスルーエでの講演で「これらの金融政策措置がなければユーロ圏は今よりもはるかに脆弱な状況になっていただろう」と指摘。「(現状の)政策から根本的に脱却するのは適切ではないように思える」と語った。

同氏は「根拠のない主張」は受け付けない立場を示し、ECBがドイツ国民の預貯金を利用する一方で、株式および不動産市場のバブル形成に加担しているとの見方に反論。ドイツのインフレ調整済みの不動産価格は1990年とほぼ同水準にあるとしたほか、ECBの政策が富の配分や金融安定にもたらす副作用については、各国政府や金融規制当局など中銀以外の機関が主に対応に当たるべきとの見解を示した。

一方、中銀の当局者も金融政策のメリットとデメリットを考慮すべきで、この問題はECBが今年実施する政策戦略の再検証で取り上げられると語った。