[ニューヨーク/サンフランシスコ 27日 ロイター] - 米国株式市場は26日に3日続伸となり、ダウ工業株30種<.DJI>は23日の安値から2割超上昇し、マーケットの1つの定義に基づけば新たな強気相場入りを示唆した。株価を急騰させた材料は、2兆ドル規模の新型コロナウイルス対策法案が間もなく成立するとの期待だ。

しかしこの定義は、かなり慎重に取り扱う必要がある。強気相場の定義自体に議論の余地があり、新型コロナウイルスの感染拡大に関するニュースで株価のボラティリティーが高まっていることを踏まえると、株価が上昇したからといって「強気相場」扱いするのは、木を見て森を見ないのと一緒だとの指摘もある。

ロバートW.ベアードの投資ストラテジスト、ウィリー・デルウィッチ氏は「安値からの20%上昇という定義に沿って強気相場と認定すると、過去1カ月間に我々がいたところ、そしてもっと重要なのは、今後数カ月間に行くかもしれないところの全体像を見えなくしてしまうことになる」と指摘する。

相場が前回つけた高値に再び到達し、そこからかなりの期間を経て初めて強気相場だと確認できるという定義もある。

たとえば、かつて弱気相場の最中に「ミニブル相場」が発生し、投資家に誤った安心感を与えたことがある。S&P総合500種<.SPX>は、金融危機の最悪局面で弱気相場が続いていた最中の2008年11月20日から30営業日の間に24%上昇した。同指数は2009年3月9日にようやく底を打ち、そこから強気相場が始まった。

ヤルデニ・リサーチの社長兼チーフ投資ストラテジスト、エド・ヤルデニ氏によると、「直近高値から20%の値下がり」という弱気相場の定義に関してはコンセンサスがあるものの、強気相場の定義については幅広く受け入れられているコンセンサスがない。「強気相場は、弱気相場と弱気相場の間に起きる」と同氏は語っている。

景気サイクルを認定する組織は全米経済研究所(NBER)だが、強気相場・弱気相場の認定に関しては、誰もが認める組織がないのが実情だ。

マーケットのサイクルに関する厳密な定義を信頼し過ぎるのは危険だとアナリストらは警告している。相場が大きく動いたときに、それが地合いのターニングポイントなのか、それとも継続している強気・弱気相場が短期的に中断したにすぎないのか見極める上では、株価の上昇・下落スピードや変動率、変動の背後にある理由も投資家は考慮に入れる。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのシニア・インデックスアナリスト、ハワード・シルバーブラット氏は、ダウ工業株30種はまだ弱気相場が続いているとみている。ダウが2月12日につけた終値ベースの過去最高値2万9551.42ドルに再び顔合わせして、初めてテクニカルに強気相場に転じたと言えるという。

「上昇し続ければ、やがては強気相場がやってくる。しかし過去最高値を付けるまでは、弱気相場の中の強気局面にすぎない」と同氏は述べた。