[29日 ロイター] - 米航空機大手ボーイング<BA.N>が29日発表しだ第1・四半期決算は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)による影響を受け、2四半期連続で赤字となった。航空業界の回復に数年を要すると予想される中、従業員を約10%削減し、「787ドリームライナー」の追加減産を実施するほか、流動性向上を図る方針を明らかにした。

同社は、事業運営に必要な流動性の確保に自信を示すとともに、運航停止中の「737MAX」の生産再開見通しに言及。株価は5.9%高で取引を終えた。

関係筋が28日、ロイターに明らかにしたところによると、ボーイングは社債を通じた100億ドル超の資金調達について投資銀行と協議している。

デビッド・カルホーン最高経営責任者(CEO)は「このパンデミックの結果、航空業界の様相は大きく変わる」とし、「当社はしばらくの間、これまでより小さな会社になる」と述べた。

第1・四半期の調整後損失は17億ドル(1株当たり1.70ドル)。前年同期は19億9000万ドル(同3.16ドル)の利益を計上していた。

第1・四半期のフリーキャッシュフローはマイナス47億3000万ドル。3月末時点のキャッシュは155億ドルとなった。

アナリストからは、現金流出は懸念されていたほど多額ではなく、政府支援を回避できる可能性があるとの声が聞かれた一方、JPモルガンのセス・セイフマン氏は、ボーイングが歩む道のりは依然として「極めて困難」と述べた。

カルホーン氏は従業員宛ての書簡で「航空業界がほんの数カ月前の状態に戻るには数年かかるだろう。われわれはこれに備えなければならない」と語った。

人員削減のほとんどは、同社の民間航空機部門で行われる予定。

また787型機の1カ月あたりの生産機数を2022年までに7機に削減する計画を発表。同社はすでに米中貿易戦争に伴う需要低迷を理由に、20年末の1カ月あたり12機生産から21年初に同10機生産に削減する計画を発表していた。「777/777X」の生産も月5機から21年には同3機に削減する。

737MAX機については、規制当局による承認を経て第3・四半期にも出荷を再開できる見込みとした。生産は低稼働率で第2・四半期に再開し、段階的に加速して21年は月31機とする方針を示した。

株式市場の引け後、格付け会社S&Pはボーイングの格付けをジャンク(投機的等級)の1段階上に当たる「BBBマイナス」に引き下げた。新型コロナの影響により、向こう数年間の利益とキャッシュフローが従来見通しを下回る可能性が高いためと説明した。

*内容を追加しました。