[ニューヨーク 29日 ロイター] - リフィニティブのデータによると、米国の4月の投資適格級社債の発行は、これまでのところ2034億ドルと、過去最高だった3月の2347億ドルに迫っている。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて米連邦準備理事会(FRB)が前例のない社債市場の支援策を打ち出したことが背景。

経済活動の縮小を受けて、多くの企業で資金ニーズが高まっている。4月は決算発表シーズンを控えて借り入れペースがやや鈍化した。

FRBは新型コロナ対策の一環として、投資適格級社債のほか、一部のハイイールド債やハイイールド債に投資する一部の上場投資信託(ETF)を買い入れる対策を発表している。

バンク・オブ・アメリカの高格付けクレジット戦略担当ハンス・ミケルセン氏は「米国の投資適格級企業がこれほどの規模で社債を発行できるのは、主にFRBが発行・流通市場で社債を買い入れる計画を発表したためだ。FRBが実際に買い入れる前に、誰もが買い手に回った」と指摘した。

ハイイールド債の発行も増えている。リフィニティブ・IFRと米証券業金融市場協会(SIFMA)のデータによると、4月の発行額は現時点で330億ドル。3月は35億ドル、昨年4月は160億ドルだった。

こうした企業の間では、資金ニーズが高まっており、政府の新型コロナ対策を活用して社債の魅力を高める動きも出ている。

鉄鉱石採掘のクリーブランド・クリフズ<CLF.N>は今月15日、「コロナウイルス支援・救済・経済保障法(CARES法)」など政府の新型コロナ関連の対策で融資を受けられた場合は、発行残高の35%を元本の103%で早期に買い戻す可能性があるとの条項を付帯して社債を発行した。

ロイターが入手した文書によると、映画館運営のAMCエンターテイメント<AMC.N>、自動車用シート製造のアディエント<ADNT.N>、テーマパーク運営のシーワールド・エンターテイメント<SEAS.N>、カジノ・ホテル運営のMGMリゾーツ<MGM.N>なども同じような条項を付帯して社債を発行している。

こうした企業からのコメントは取れていない。

アナリストは、CARES法について、大半のケースで社債保有者にとってプラスになるが、社債発行企業が政府から何度も融資を受ければ、担保が希薄化する恐れあるとの見方を示している。