[ワシントン 30日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は30日、新型コロナウイルス対策の一環として導入した中小企業向けの「メインストリート融資制度(MSLP)」の拡充を発表した。

当初の対象範囲だった従業員1万人まで、売上高20億までの企業を、従業員1万5000人まで、売上高50億ドルまでの企業に拡大する。融資規模は6000億ドルのままで、財務省が750億ドルの政府保証を行う。

FRBは、今回の変更は、重要な企業ではあるものの、社債・資本市場で資金調達する規模には至っていない企業群を融資対象にする狙いがあると説明。2017年の米国勢調査によると、従業員1万─2万人の企業は2364社あった。

MSLPは市中銀行がいったん中小企業に4年間の融資を提供し、FRBが融資債権の95%を買い取る仕組み。異例の策で、まだ運用は開始していない。

FRBは今回、対象企業の人員削減を認め、一部企業については全体の借り入れ額を増やすことを容認する方針も明らかにした。MSLPをどのように運用すべきかについて約2200件に上る意見が企業や個人、非営利団体から寄せられたことを受けた。

全米小売業協会(NRF)も変更を求めた業界団体の1つで、FRBの発表を受け、「新型コロナウイルス流行に打撃を受けた大きめの中規模企業に参加を認める今回の決定を歓迎する」と表明した。

FRBはまた、全米商工会議所や石油・ガス業界を含む業界団体からの要請を受け、融資を提供する市中銀行に融資の会計上の扱いについてさらなる裁量を認めたり、対象企業に「業務上」必要な人員削減の余地を与えたり、企業が特定のケースで融資を他の債務返済に充当するのを容認するなどの変更を決めた。

融資額の下限は100万ドルから50万ドルに引き下げ、上限は場合によっては最大2億ドルまで認める可能性があるとした。従来は1億5000万ドルが上限だった。

FRBは新型コロナの経済への影響を和らげるため、MSLPをできる限り有益なものにするための変更だと説明。ただ、寛大過ぎるとの批判もある。

野党・民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員の元側近、バーラト・ラマムルティ氏は「今回の変更がどのように公共の利益を促進しているかについて疑問が生じる。とりわけ、融資を受ける企業がなお、従業員を維持したり再雇用する明確な義務がない点を踏まえるとそういえる」と述べた。

FRBは、融資を受ける企業は従業員維持のために「業務上合理的な取り組み」を行う必要があるとした。あまり多くの制限を設けないことで参加を促し、苦境にある企業を弱体化させるような条件を避ける狙いがあると説明した。

融資の返済には1年の猶予期間が設けられ、金利はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)を3%ポイント上回る水準となる。

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