[東京 11日 ロイター] - 日銀が4月27日に開催した金融政策決定会合で、新型コロナウイルスの感染拡大による経済への打撃が深刻化する中で、出席者から厳しい景気・物価認識が示されていたことが11日に公表された「主な意見」で明らかになった。「1930年代の大恐慌以来の急激な経済収縮も起きかねない」といった意見や、2%の物価目標に向けたモメンタムは「いったん損なわれていると判断せざるを得ない」といった指摘が出ていた。

日銀は4月27日の決定会合でCP(コマーシャルペーパー)や社債の購入額を増やし、2会合連続で追加緩和を決めた。3月に導入した、新型コロナの影響拡大で打撃を受けた企業の資金繰り支援のための特別オペを拡充したほか、年80兆円の長期国債の購入めどを外し、積極的な国債買い入れも表明した。  

会合では、金融機関や企業などの資金調達の円滑確保に万全を期すとともに、市場の安定維持のため「金融緩和を一段と強することが適当」との意見が出ていた。

厳しい状況に置かれた金融機関経営を念頭に「融資に対する金融機関の積極姿勢を後押しする措置が重要だ」との主張も見られた。日銀は同会合で、金融支援特別オペの利用残高に相当する当座預金にプラス0.1%の付利を行うことを決めた。

委員からは「すでに貸し出し利ザヤが極めて小さくなっている状況で金利がさらに低下すれば、(金融仲介機能が阻害される)リバーサルレートへの抵触が早まる」との意見も出ていた。

国債購入については、緊急経済対策を受けた国債発行の増加の影響も踏まえ、イールドカーブを低位で安定させる観点から、「国債買い入れをさらに積極的に行うことが望ましい」との意見が出た。

委員からは「大恐慌の再来を避けるべく、政策当局は果断に対応しなければならない」といった意見も出された。

<2%の物価目標へのモメンタム>

日銀は会合後に公表した声明文で、政策金利の見通しについて「現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している」とだけ記し、これまで用いてきた「物価安定目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れに注意が必要な間」との表現は削除した。

会合では、物価目標へのモメンタムは「いったん損なわれていると判断せざるを得ない」との意見が出ていた。この意見を主張した委員は、政策金利のフォワードガイダンスを「感染症の影響に紐づけたものに変更することが適当だ」と述べた。

決定会合後に公表された展望リポートでは、初めて22年度のコアCPIの見通しが示されたが、プラス0.4%―プラス1.0%と2%目標からは程遠いものとなった。会合では、先行きの経済やインフレ予想形成を踏まえると「22年度でも、物価が2%にしっかりと近づいていく姿は見通しがたい」との意見が出ていた。

一方、メンバーからは「インフレ率の高騰リスクは、物価安定目標が堅持されている限り制御できる」との意見も出ていた。また「デフレの再定着を避け、物価安定目標を実現するには何が必要なのか、現行政策の有効性の評価も踏まえた検討を行っていくべきだ」との指摘も聞かれた。

*内容を追加します。

(和田崇彦)