[北京 11日 ロイター] - 調査会社ロジウム・グループと米中関係全国委員会の報告書によると、昨年の中国の対米直接投資額は50億ドルと、両国の緊張が高まる中で前年の54億ドルから減少し、2009年以来の低水準となった。

新型コロナウイルス流行を受けて、両国間の投資フローは引き続き圧迫される見通しだという。

報告書は新型コロナ流行について、取引を阻害し、経済成長に打撃を与えるため、1月に署名された第1段階の通商合意の効果を打ち消す可能性があると指摘。当初のデータは中国の対米投資が今年最初の数カ月に「大幅に減少」していることを示しており、新たに発表された直接投資の額は2億ドルと、昨年の四半期当たりの平均20億ドルに比べて激減したとした。

一方、米国企業が第1・四半期に公表した中国での新たな直接投資プロジェクトの規模は23億ドル。昨年の四半期平均を小幅に下回る程度だという。

報告書は新型コロナ流行で脆弱なグローバルサプライチェーンの姿が明らかになったことを受け、米国企業は製造部門の中国脱却を推し進める可能性があるとしつつ、現地化を一層進めようと投資を拡大する可能性もあると指摘した。

米国の2019年の対中投資額は小幅増の140億ドルだった。

報告書によると、米中双方向ともにベンチャーキャピタルに関連したフローがさらに落ち込んだ。米規制当局の監視が強まったほか、中国のハイテク市場が過熱しているとの投資家の懸念を受けた。

報告書は新型コロナ流行が両国の協力機会となる可能性があったとしつつ、「経済的な競争激化と政治システムを巡るシステミックな戦いが両国関係を圧迫し続けている」と指摘した。