[北京 11日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が発表した4月の新規人民元建て融資とマネーサプライM2伸び率はともに市場予想を上回った。

新型コロナウイルスの流行を受けて、中国人民銀行(中央銀行)が政策支援を強化した。

4月の新規人民元建て融資は1兆7000億元(2400億5000万ドル)。3月の2兆8500億元を下回ったが、ロイターがまとめた市場予想の1兆4000億元は上回った。前年同月は1兆0200億元だった。

住宅ローンを中心とする家計向け融資は6669億元と、前月の9891億元から減少。企業向け融資も9563億元と、前月の2兆0500億元から減少した。

中国人民銀行は2月初旬以降、預金準備率や貸出金利の引き下げ、新型コロナで打撃を受けた企業への融資支援など、一連の金融緩和策を導入している。

中国人民銀行(中央銀行)は10日に公表した第1・四半期の金融政策報告書で、「洪水のような」成長刺激策の実施は控えるとしてきた従来の立場を表明せず、追加緩和の可能性を示唆した。

マネーサプライM2や社会融資総量の伸び率を名目GDP成長率をやや上回る水準に保つ方針も示した。

4月のマネーサプライM2伸び率は前年比11.1%。ロイターがまとめた市場予想の10.2%を上回った。3月は10.1%だった。

アナリストらは、新規融資の純増減について、季節要因の影響が大きいため、基調トレンドを見極めるには残高を前年同月比で比較することが賢明だと指摘。

キャピタル・エコノミクスのジュリアン・エバンスプリチャード氏は「近年、信用の伸びは一貫して鈍化してきたが、直近では伸びが加速しており、人民銀行が望めば貸し出しペースを加速できることが改めて明らかになった」と分析。

「人民銀行が週末に発表した金融政策報告書をみると、一段の金融緩和が準備されており、信用の伸びは今後数カ月で引き続き加速するとみられる」と述べた。

4月末時点の人民元建て融資残高は前年比13.1%増。前月は12.7%増、市場予想は12.9%増だった。

4月末の社会融資総量残高は前年比12%増。3月は11.5%増だった。

社会融資総量には、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行など、通常の銀行融資以外の簿外の与信も含まれている。

4月の社会融資総量は3兆0900億元。前月の5兆1500億元から減少した。市場予想は2兆6500億元だった。

アナリストらは、人民銀行が政府の歳出計画を支援するために追加利下げを行い、銀行や企業の国債購入を助けるために資金供給をさらに拡大する可能性があるとみている。

交通銀行のシニアエコノミスト、Tang Jianwei氏は「金利や預金準備率を引き下げる余地はまだある」とした上で、人民銀行は銀行の貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を今月さらに引き下げる可能性があるが、中期貸出ファシリティー(MLF)の金利は引き下げないかもしれないとの見方を示した。

新型コロナ感染を抑制するための封鎖措置が解除されるとともに政府が支援する事業が再開し、累積需要が徐々にでてくるとともに、融資は今後さらに拡大していくとアナリストらはみている。

中国財政省の9日の発表によると、1─4月の地方政府の債券発行額は1兆9000億元となり、今年の前倒し発行枠の58.4%に達した。

債券発行の加速が社会融資総量の増加を促す可能性もある。

*内容を追加しました。

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