[北京 12日 ロイター] - 中国国家統計局が発表した4月の生産者物価指数(PPI)は、前年比3.1%低下し、4年ぶりの大幅な落ち込みを記録した。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)により需要が減退している状況が浮き彫りになった。

ロイターがまとめたアナリストの予想は2.6%低下、3月は1.5%低下だった。

一方、4月の消費者物価指数(CPI)は前年比3.3%上昇。3月の4.3%上昇から減速し、ロイターがまとめたアナリスト予想(3.7%上昇)も下回った。

CPI減速の主因は食品価格。3月には18%超上昇していたが、4月は14.8%に伸び率が低下した。それでも豚肉価格が96.9%急騰したこともあり、食品価格の伸び率は依然、高水準を維持している。

食品を除いたCPIは前年比0.4%上昇した。

食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比1.1%上昇し、3月の1.2%上昇から伸び率が低下。抑制された水準を維持した。

国家統計局によると、4月のPPIの落ち込みに拍車をかけたのは、世界的な石油やコモディティー価格の下落だ。

主要40業種の調査では、石油・ガス抽出業の価格下落が最も大きく、前年比51.4%下落した。前月(21.7%下落)から下げ幅がさらに拡大した。

中国民生銀行(北京)のシニアエコノミスト、ウェン・ビン氏は「PPIは市場予想よりも急速なペースで低下している。需要を喚起するために、もっと強力な対策が必要とされている」と述べた。

キャピタル・エコノミクスのシニアエコノミスト、ジュリアン・エバンスプリチャード氏は、エネルギ―および食品価格の下落が総合指数を押し下げており、需要サイドの圧力は当面、継続する公算が大きいと指摘。「金融緩和がインフレに及ぼす影響に関する中国人民銀行(中央銀行)の懸念も、これで解消される。インフレが低下すれば実質金利が上昇し、追加利下げがしやすくなる」と語った。

7日に発表された4月の貿易統計では、輸出はドル建てで前年比3.5%増となり、大幅な減少を見込んだ市場予想に反して増加した。ただ、輸入は14.2%減と2桁の減少を記録し、内需の弱さが示された。

第1・四半期の国内総生産(GDP)は、前年同期比6.8%減少し、四半期の統計でさかのぼれる1992年以降で初のマイナスとなった。新型コロナ感染拡大抑制に向けた措置により、工場や交通機関、ショッピングモールが閉鎖されたことが響いた。

中国当局はさまざまな景気対策を打ち出して景気回復を目指しているが、世界的な感染拡大の影響で、中国の製造業は海外からの受注の落ち込みや在庫の増加、業績悪化に苦しんでいる。コスト削減のために人員を削減した企業も多い。

新型コロナの流行を受けて中国人民銀行が政策支援を強化する中、4月の新規人民元建て融資は1兆7000億元(2400億5000万ドル)に上り、前年同月を大幅に上回った。マネーサプライM2の前年比伸び率も加速した。

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