[ワシントン 29日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は29日、種々の政策手段を活用しなから新型コロナウイルス禍で打撃を受けた経済への下支えを継続すると強調した。一方で、新型コロナの感染第2波は経済回復の頓挫につながるとの見方を示した。

パウエル議長はウェブキャストのイベントで「第2波が来れば国民の信頼を損ない、回復は大幅に長期化、弱体化するだろう」と指摘。「われわれはもちろん引き続き対応していく。限界には近づいていないが、第2波が信頼を損なうことを懸念している」と述べた。

FRBはすでに11の新型コロナ対策を発表済みで、そのうち2つの対策を除き全て実行されている。パウエル議長は中小企業向け「メインストリート融資制度」での「最初の融資が実行されるまであと数日」としたほか、州や郡、大都市向けの融資制度も数週間で始まるとした。

メインストリート融資制度については、従業員が1万5000人以下、売上高50億ドル以下の中小企業を対象としてるが、これらの条件が緩和される可能性があると指摘。

また緊急災害融資や給与保護プログラム(PPP)からの融資を受けていても、メインストリート融資制度による融資の申請は可能とした。ただ、社債を購入するプライマリーマーケット・コーポレート・クレジット・ファシリティー(PMCCF)に参加している場合はメインストリート融資制度を活用できないという。

市場では大規模な債券買い入れプログラムの再開可能性やその時期、買い入れ期間などが注目されているが、これに関するパウエル議長の発言はなかった。6月9─10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)までパウエル議長の公での発言は予定されていない。

パウエル議長はFRBによる新型コロナ対策の限界はほとんどないとし、「かつて目にしたことのない自然の緊急事態」に直面する中、「われわれは過去に越えることのなかった多くの一線を越えた。現在はそうすべき状況であると真に理解している」と語った。

一方で「バランスシートはもちろん恒久的に拡大することはできない」とも言及。「現在の立ち位置と軌道に満足しており、インフレや金融の安定性に関するリスクは見られない」とした。