[東京 8日 ロイター] - 財務省が8日発表した国際収支状況速報によると、5月の経常収支は1兆1768億円の黒字となった。ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値(1兆0882億円程度の黒字)を上回った。経常黒字は71カ月連続だが、前年同月に比べて4543億円黒字幅は縮小した。

新型コロナウイルスの影響で、日本企業が海外の子会社から受け取る配当金などを示す「証券投資収益」の黒字幅が縮小したことで、第1次所得収支の黒字幅が縮小したことが背景にある。

第1次所得収支は2兆0434億円の黒字で、前年同月に比べて2489億円黒字幅が縮小。新型コロナの影響で海外の子会社の資金繰り状況が悪化し、配当の受け取りが後ずれしたという。

貿易・サービス収支は6493億円の赤字で、前年同月に比べて赤字幅は1219億円拡大した。

貿易収支は5568億円の赤字で、赤字幅は1230億円縮小。新型コロナの影響で輸出入ともに大幅に減少したが、輸入の減少幅が輸出の減少幅を上回り、赤字幅は縮小した。

サービス収支は925億円の赤字で、2カ月連続の赤字となった。訪日客が大幅に減少したことで旅行収支の黒字幅が縮小した。

第2次所得収支は2173億円の赤字だった。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員の丸山健太氏は、新型コロナの影響で貿易収支、サービス収支は赤字が続くと予測する。一方、「(今月)黒字幅を縮小したとはいえ、第1次所得収支は2兆円程度の黒字で安定的に推移しており、今後も経常黒字をけん引するだろう」と述べた。

*内容を追加しました。

(浜田寛子 編集:内田慎一 グラフ作成:田中志保)