[東京 26日 ロイター] - キヤノン<7751.T>は26日、2020年12月期通期の業績予想(米国会計基準)を上方修正し、営業利益を従来の450億円から前年比63.4%減の640億円に引き上げた。新型コロナウイルスの影響で低迷していた需要が、想定より早く回復しつつあるという。

リフィニティブがまとめたアナリスト予想の平均492億円を上回った。

田中稔三副社長(CFO)は電話会見で「当社業績は世界経済と同じく、10―12月は緩やかだが着実に回復が続く見通し」と述べた。コロナ禍の収束見通しは立っていないが、各国政府が感染対策と経済活動の両立を目指していることから、世界経済は7―9月と同じく「総じて回復が続く」(田中副社長)と想定している。

売上高は従来予想の3兆0800億円から前年比12.6%減の3兆1400億円に、純利益は430億円から同58.4%減の520億円に上積みした。新たに投入したミラーレスカメラのほか、在宅勤務の需要を捉えてインクジェットプリンターの販売が好調だった。

複写機などのオフィスビジネスは、各地域の出社人数増加によって回復傾向がみられるという。在宅勤務が長引く米国の戻りがやや遅いものの、中国を中心に今後も緩やかに回復していくとみている。

未定としていた期末配当は1株40円の予想とした。前年同期から40円の減配。年間配当も前年の1株160円から80円に半減する。10―12月の為替レートは1ドル105円、1ユーロ125円を想定する。

同時に発表した20年1―9月期の営業利益は、前年同期比71.9%減の343億円だった。米国では雇用や個人消費が上向き、日本や欧州では企業活動が活発化しはじめたとし「記録的な落ち込みとなった第2・四半期(4―6月期)からは着実な回復となった」(同)。売り上げは中国・欧州でほぼ前年並みの水準となり、日本や米州も前年の8割超にまで回復した。

コロナ影響は年間の売上高で4700億円、営業利益で1500億円と試算している一方、昨年と今年で計450億円の構造改革を実施しており「その効果が着実に現れてきている」(同)とした。メディカルやネットワークカメラといった新規事業は、わずかながら増収・増益を見込んでおり「事業ポートフォリオの転換は順調に進んでいる」(同)との見方を示した。