[クアラルンプール 12日 ロイター] - マレーシア中央銀行が発表した2019年第4・四半期の国内総生産(GDP)は前年比3.6%増と、10年ぶりの低い伸びとなった。 パーム油、原油、天然ガスの生産が減少したほか、米中貿易戦争を背景に輸出が落ち込んだ。中銀は、金利を調整する「かなりの余地」があるとの認識を示した。

第4・四半期GDPの伸びはロイターがまとめた市場予想の4.2%増を大幅に下回り、第3・四半期の4.4%増から鈍化した。

2019年のGDPは4.3%増。伸び率は政府予測の4.7%を下回り、2016年以降で最低となった。

中国での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界経済の下振れリスクは高まり、経済への打撃が大きい国では追加の刺激策への期待が高まっている。

マレーシア中銀は1月、市場の据え置き予想に反して25ベーシスポイント(bp)の利下げを決定した。

中銀のノル・シャムシアー総裁は記者会見で、利下げの可能性を問われ「かなりの余地がある。インフレは依然低い」と述べた。中銀は、2020年の総合インフレ率は平均して19年の水準を上回るが、引き続き控えめな数字になるとみている。

中銀は、新型コロナウイルスが2020年の経済成長に悪影響を及ぼすと表明。特に第1・四半期に悪影響を受けるとしている。為替相場の大幅変動も見込んでいる。

シャムシアー総裁は記者会見で「国内経済は引き続き非常に底堅い民間部門の支出に支えられており、これは経済にとりプラスだ。さらに重要なこととして、民間投資が好転する可能性がある」と指摘したが「ただ下振れリスクもあり、(コロナウイルス)封じ込めにどの程度の時間がかかるかを予測するのは非常に難しい。変動要因が非常に多い。ただ、第1・四半期に影響が出ることは認識している」と述べた。

「刺激策には多くの措置が盛り込まれる。民間部門を支える最適なポリシーミックスを検討する必要があるが、同時に持続可能な財政を引き続き確保する必要がある」と説明した。

キャピタル・エコノミクスは、新型ウイルスへの懸念で観光客が急減し、第1・四半期は状況が悪化すると予想。中銀によると、観光業はマレーシアのGDPの11.8%を占める。

中国での工場操業休止による製造業への影響、原油価格の下落も成長を下押す可能性がある。「かなりの不確実性があり、第1・四半期のGDP伸び率は前年比1.5%にとどまり、重症急性呼吸器症候群(SARS)の時をはるかに上回る打撃を予想している」とキャピタル・エコノミクスはリサーチノートで指摘した。

第4・四半期の経常黒字は76億リンギ(18億4000万ドル)で、第3・四半期の115億リンギから縮小した。

ポートフォリオ投資は28億リンギの純流出。第3・四半期は268億リンギの純流出だった。

*内容を追加します。