[ジュネーブ 8日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は8日、中国武漢市の卸売市場が新型コロナウイルスの感染拡大に関連しているとの見解を示した上で、さらに調査する必要があると述べた。

中国当局は1月、新型ウイルスの感染拡大を防ぐ対策の一環として武漢の市場を閉鎖したほか、野生動物の売買や消費を一時的に禁止した。

WHOの食品安全と人獣共通感染症の専門家、ピーター・ベン・エンバレク博士は記者会見で「市場が感染拡大に関連していることは明らかだ。発生源だったのか、感染が拡大した場所だったのか、それともたまたま一部の症例が市場や周辺で確認されたのか、どのように関係していたかは分からない」と述べた。生きた動物、もしくは感染した業者や客が市場にウイルスを持ち込んだのかは明らかでないとした。

ポンペオ米国務長官は、武漢市の研究所が新型ウイルスの起源だとする「かなりの証拠がある」と発言したが、確定的ではないとしいている。

武漢市の研究所が新型ウイルスの起源だとする明白な証拠はなく、科学者は発生源は動物のようだという見解を示している。独シュピーゲル誌は、ドイツの情報機関がポンペオ氏の主張に懐疑的な見方を示したと報じた。

ベン・エンバレク氏はポンペオ氏の発言には触れなかった。

また、2012年にサウジアラビアで発生し中東に広がった中東呼吸器症候群(MERS)の発生源がラクダだと特定するのに1年かかったと指摘し、「まだ遅くない」と指摘。「重要なことは、人に移る前のウイルスを特定することだ。そうすれば、どのように人に感染したのか、どのように進化したのかについて理解が深まる」と語った。

今後の調査について「中国はほぼ確実に全ての専門性を持ち合わせているだろう。非常に適切な研究者がたくさんいる」とした。

アジアで多く見られる生鮮市場は、生鮮食品や魚などの生き物を野外で売っているが、ベン・エンバレク氏は、生き物を販売する世界各地の市場の多くに規制強化と衛生状態の改善が必要で、一部は閉鎖すべきだと指摘。「ただ、大半の市場は改善することができる」とも述べ、多くの場合、廃棄物処理や人の移動や物流の管理、そして生き物を動物性食品や生鮮食品と分けることが鍵だと指摘した。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)