[ブリュッセル 11日 ロイター] - 欧州連合(EU)当局者らによると、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和政策(QE)についてドイツ連邦憲法裁判所が一部違憲と判断したことを巡り、欧州委員会が直ちに同国を提訴する可能性は低いとみられる。

ドイツ憲法裁は5日、ECBが資産買い入れプログラムの必要性を証明しなければ、ドイツ連邦銀行(中央銀行)は3カ月以内に国債買い入れを停止する必要があるとの判断を示した。これを受け、EUの執行機関である欧州委のフォンデアライエン委員長は10日、訴訟を提起する可能性に言及した。

しかし、これについて欧州委当局者は、訴訟の根拠について熟考する時間が必要であるほか、ドイツ憲法裁の独立性を損なう懸念があるとの見方を示した。

当局者の1人は「われわれは国家の裁判所、ドイツの最高裁の判断に踏み込もうとしている。司法の独立性に疑問が生じることから、違反手続きを開始するかどうかの検討は慎重に行う必要がある」と語った。

欧州委は加盟国がEU法に違反していると見なす場合、EUの最高裁判所に当たる欧州司法裁判所(ECJ)に訴訟を提起することが可能で、ECJは当該国に賠償を命じたり、罰金を科したりすることができる。

同委当局者はドイツを提訴しても同国の憲法裁の判断を覆すことはできないとした上で、訴訟は重要な議論につながる可能性があると指摘している。また、訴訟手続きを開始することは「欧州委と関係加盟国の間で何をすべきかという重要な論点の話し合い」につながるだろうと語った。

訴訟手続きをとるにしても、そのタイミングは欧州委がドイツ憲法裁の判断に焦点を絞るか、ドイツ連銀や同国政府を提訴するかにも左右されるという。