[6日 ロイター] - ニューヨーク州のジェームズ司法長官は6日、全米ライフル協会(NRA)の幹部らが個人的な使途のために多額の資金を流用したなどとして、協会の解散を求める訴えを起こした。

NRAは米国で最も規模が大きく、影響力を持つ銃関連圧力団体で、与党・共和党の支持団体。ニューヨーク州に非営利団体として登録しているため、同州の法律が適用される。

訴訟の対象となったのはNRAと、ウェイン・ラピエール氏ら幹部4人。ラピエール氏はNRAのバイスプレジデントを務め、約30年にわたりNRAを率いてきた。

ジェームズ長官は、NRA幹部らはバハマへの家族旅行やプライベートジェット機、高額の食事などに資金を使用したと指摘。3年間で6400万ドルに上るこうした支出でNRAの収支は赤字に転換したとし、州法や連邦法のほか、NRAの内規にも違反していると述べた。

また、首都ワシントンの司法長官も、事前目的の資金を不正使用したなどとして、NRAを提訴した。NRAは登録はニューヨーク州だが、本部はワシントン近郊のバージニア州フェアファックスにある。

NRAは提訴について「根拠がなく、周到に用意された攻撃だ」と非難。ジェームズ長官がNRAの言論の自由を否定したとし、同長官に対する訴訟を連邦裁判所に起こした。

NRAのプレジデント、キャロリン・メドウズ氏は「この戦いで萎縮することはない。NRAは対抗し、勝利する」と述べた。

民主党員のジェームズ長官は会見で、NRAがトランプ大統領を支持していることが提訴の理由ではないと述べた。ただ今回の訴訟を受け、米国の二極化が一段と進む恐れがある。

トランプ大統領はNRAがニューヨーク州などに提訴されたことを受け、銃愛好家が多いとされるテキサス州に拠点を移せばいいと述べた。その上で「極左のニューヨークがNRAを滅ぼそうとしているように、(民主党の)バイデン前副大統領が大統領選挙で当選すれば、(武器保有の権利を認める)憲法修正第2条の機会はなくなる。銃は直ちに取り上げられる。警察も銃もなくなる!」とツイッターに投稿。この問題を11月の大統領選の争点の一つにする姿勢を示した。

銃規制団体の「Everytown for Gun Safety」や「Moms Demand Action」などは「これまで長年にわたり、NRAの腐敗について警告してきた」とし、訴訟に支持を表明。両団体は民主党の大統領候補指名争いに一時参加したマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長から資金提供を受けている。

*内容を追加しました。