[北京/台北 18日 ロイター] - 台湾国防部は18日、中国軍の戦闘機18機が同日、台湾海峡の中間線を越えて台湾の防空識別圏に入り、台湾空軍機がスクランブル(緊急発進)したと発表した。台湾では前日から米政府高官が訪問しており、18日は蔡英文総統と会談する予定。中国国防省は18日から台湾海峡付近で軍事演習を開始したと発表していた。台湾総統府は中国に自制を求めた。

中国は米国と台湾の関係強化の動きに神経をとがらせている。

米国務省のクラック次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が17日に台湾に到着。18日に蔡総統と会談し、19日には李登輝元総統の告別式に参列することになっている。中国外務省は17日、クラック次官の台湾訪問に関し「必要な対応」をする方針を示していた。

中国国防省の任国強報道官は18日の会見で、人民解放軍の東部戦区が参加し台湾海峡の近くで演習を実施していると明らかにし「台湾海峡における現状への対応で、中国の国家主権と領土の一体性を守るためだ」と説明した。

台湾は純粋に中国国内の問題であるとし、外国の介入を拒否する姿勢を示した。

任報道官は「最近、台湾の民主進歩党(民進党=与党)と米国が結託を強め、しばしば問題を引き起こしている」と指摘。「台湾を利用して中国をコントロール」しようとしたり、「外国人を頼りに独立」しようというのは考えが甘く、いずれ行き詰まるとし「火遊びする者はやけどする」と述べた。

中国人民日報傘下の有力国際情報紙、環球時報の胡錫進編集長は、中国版ツイッター、微博(ウェイボー)上で、軍事演習は必要となれば台湾を攻撃するための準備だとし「米国務長官や国防長官が台湾を訪問すれば、人民解放軍の戦闘機が台湾上空に飛来し行動する」と述べた。

台湾総統府の報道官は会見で、台湾海峡や周辺地域で最近見られる中国の好戦的行動は中国の国際社会におけるイメージに良くない影響を与えかねないと述べた。また、市民に対しては軍が状況を十分把握しているとして、心配しないよう呼び掛けた。

台湾国防部によると、18日に台湾海峡の中間線を越え台湾の防空識別圏に入ったのは、中国空軍のH−6爆撃機2機、J−16戦闘機8機、J−10戦闘機4機、J−11戦闘機4機の計18機。

台湾空軍機が緊急発進するとともに、ミサイル防衛システムで中国軍機の動きを監視していたという。国防部は地図で中国軍機の飛行経路を示した。

台湾の自由時報紙はこれより先、台湾空軍機が18日朝、中国空軍機に対して4時間にわたりスクランブルを17回行ったと報道。台湾東海岸沿いの花蓮の基地でF16戦闘機にミサイルが搭載される写真も掲載した。

8月にアザー米厚生長官が台湾を訪問した際も、中国軍機が一時中間線を越えて台湾の防空識別圏に入っていた。

ポンペオ米国務長官は中国の対応を非難。「告別式のために代表団を送ったところ、中国はあからさまな軍事的威嚇で応じてきた。それ以上言うことはない」と語った。

米国防総省は声明で、中国が軍隊を脅迫の道具として利用した新たな一例と指摘。同省報道官は「中国人民解放軍の挑戦的で安定性を損なう対応は、現状を変え、歴史を書き換えるための継続的な試みを反映している」と述べた。

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