職務給への転換を説く

 デジタル化が一層進展し、業務の進め方が劇的に変化するデジタルトランスフォーメーションが叫ばれるなか、デジタル人材の獲得に向けた処遇制度などについて、企業事例を交え解説したのが本書である。

 優秀なデジタル人材の獲得には高報酬など年功や役職にとらわれない処遇が必要なことから、仕事に対し報酬を支払う職務給が、外部市場価値に連動させやすく適していると説く。一方で、既存の従業員とのバランスをとるため、デジタル人材については有期雇用として別の処遇制度を設けたり、給与の構成要素を職務で決まる部分と職能により決定する部分に分けるハイブリッド型の報酬制度へ転換したりするなどの方法を示した。

 デジタル人材を活かすためにも、デジタルと事業を結び付けられるミドルリーダーの育成に触れている点も特徴的といえる。

(内藤琢磨編著、東洋経済新報社刊、TEL:03-6386-1040、2400円+税)