新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米Amazonは「日用品、医療用品、その他高需要商品を優先」し、上記以外の商品の新規配送を停止すると発表した。

新型コロナウイルスの感染拡大によって音楽業界が被る前代未聞かつ壊滅的なインパクトの最初の兆候が見えはじめている。サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)やコーチェラといった大型フェスのみならず、ビリー・アイリッシュからセリーヌ・ディオンにいたるまで、さまざまなアーティストのツアーが中止・延期になるなか、アナリストたちはコンサート業界が最大50億ドル(およそ5400億円)を失うと見込んでいる。ただ現時点では、当然避けられないアルバム売り上げへの影響は確認できていない。

米ローリングストーン誌の音楽チャートをサポートしているデータ・アナリティクス・プロバイダーのAlpha Dataが発表した初期の数値によると、3月6日から12日にかけてフィジカルアルバム(実物のCD)の売り上げは前週と比べて6%下がり、人々が店ではなくより多くの時間を自宅で過ごすにつれ、売り上げは下降し続けると予測されている。そして米現地時間3月17日、さらなる不穏な兆候が認められた。米Amazonは、CDとアナログレコードの倉庫への新規入荷を停止すると発表したのだ。

米Amazonは販売業者向けのサイトに声明を発表し、先週全米を震撼させた新型コロナウイルスの感染拡大と、それに伴うパニックによって入手困難になった「日用品、医療用品、その他高需要商品を優先」すると発表した。その結果として、同社は上記カテゴリーに該当しないCD、アナログレコード、書籍をはじめとする商品の倉庫への入荷を4月5日まで停止する。

今回の措置は、同社の倉庫に入荷予定の商品のみを対象としており、すでに倉庫に到着しているものは対象外となる。要するに、Amazonの在庫にあるアルバムを注文した場合は影響を受けずに済む。

米Amazonは世界最大のCD・レコードの小売業者のひとつであり、もっとも小規模なインディーレーベルからメジャーレベルまで、多くのレコードレーベルに影響を与えるだろう。

ディスコグラフィーにザ・ブラック・キーズ、モデスト・マウス、サッカー・マミーといったアーティストのアルバムを擁するFat Possum Recordsの営業部長ウィル・マッカーリー氏は、レーベルのビジネスの約3/5は、ソニーの子会社であるジ・オーチャードというインディペンデント・ディストリビューターとの取引のおかげだと語る。彼にとってアマゾンは最大の貢献者ではないものの、商品を直接消費者に届ける上でかなりの割合を占めているとマッカーリー氏は言った。

「全員にとってかなりの打撃です。だからこそ、状況を注意深く見守っています」とマッカーリー氏は言った。「医療用品で穴埋めするようなことはしません。我々は音楽業界に身を置いていますから、これが全員にとって長期的なインパクトを残すことも承知しています」。

米ローリングストーン誌は米Amazonの代表者にコメントを求めたが、回答は得られていない。