米カリフォルニア北部の市職員がFacebookで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの解決策として「集団免疫」が有効だと絶賛する発言を投稿した。だが問題発言からほどなく、冷血な発言が原因で更迭された。

ケン・ターネイジ氏はカリフォルニア北部のアンティオック市の活動計画委員長をしていたが、現地時間1日に市長が緊急会議を招集し、全会一致で解任された。

ターネイジ氏の解任は、COVID-19危機中に彼が個人のFacebookページに「適者生存」を支持する発言を投稿し、大騒動になったのがきっかけだった。

「世間は集団免疫という素晴らしい用語と出会った。私の意見では、我々は集団心理[原文ママ]を採用するべきだ。集団が集まれば、等級づけがなされ、病人や老人、負傷者は自ずから辿るべき道を辿ることになる」 。現在は削除された投稿で、ターネイジ氏はこのように書いていた。

ターネイジ氏はさらに非情な発言を続けた。「他にも、自らの選択で、あるいは精神的な問題で卑しい存在になり果てたホームレスのようなグループもいる。集団免疫はこうした人々の間でも蔓延するだろう。申し訳ないが、我々の社会や活用資源にかかる負担も解決されるだろう」

NBC Bay Areaによると、ターネイジ氏は批判されたことに「面食らっている」と述べ、辞任を拒否した。

ビデオ会議回線で行われた緊急会合で、市の職員らは市民から寄せられた賛否両論のコメントに目を通した。ロサンゼルスタイムズ紙によると、親がホロコーストの生存者だったという72歳の女性はこのようにコメントしていた。「私のような歳の人間を、黙って見殺しにするのですか?」

ターネイジ氏を「虫唾の走る奴」と呼んだ者もいた。別のコメントには、委員長の更迭は言論の自由に反するとして、「共産主義のはじまりだ」と評した。

もちろんターネイジ氏だけではない。どれも小規模ではあるものの、彼のいわゆる適者生存思想を支持する抗議デモが全米各地で起きているようだ。ラスベガス市長もつい最近似たような主張を展開したばかりだ。彼女はカジノを今すぐ営業するよう要請し、生死に関する「事実は後になればわかる」と述べた。

・人命を完全に無視した米ラスベガス市長のインタビュー動画

ラスベガス市長もターネイジ氏も、無知な健常者優位の主張で見過ごしている点がある。仮に社会でもっとも脆弱な者たちが犠牲になったとしても、誰が、あるいはどのぐらいの人数がウイルスから免れられるのかという保証にはならないのだ。それに、COVID-19が弱者だけをターゲットにするとは限らない。感染したあと回復した高齢者もいれば、それまで健康だった若者が命を落としたケースもある。2人の公職者は単なる推量、それもかなりずさんな推量をしているにすぎない。集団免疫がうまくいくという実証はゼロであるうえ、ウイルスに対する免疫がどのぐらい持続するのか、専門家もいまだ解明できずにいるのだから。