県内での豚コレラ(CSF)感染確認から15日で1週間。主要なスーパーや飲食店では今のところ大きな混乱はないというが、街の精肉店などでは「注文のキャンセルが出た」「仕入れが減った」という声もある。店主らは「これ以上、感染拡大しないようにしてほしい」と訴える。 「懸念していた買い控えが出ている」。糸満市内の精肉店の男性経営者は肩を落とした。豚コレラ発生前に入っていた予約が数件キャンセルになった。さらに不安がある。卸問屋から「今後、生の豚の中味の納品は確約できない」と説明されたという。

 県内の7割の豚が搬入される県食肉センター(南城市)によると、豚コレラ発生以降、1日の食肉処理頭数は例年とほぼ同数で、担当者は「出荷量が急激に減るようなことはない」と強調する。ただ精肉店の男性は「旧正月行事に中味は必須。仕入れできるか分からないようでは商売にならない」。新たな予約は断っているという。

 糸満市のファーマーズマーケットいとまん「うまんちゅ市場」の「上原ミート」では、13日から店頭に「CSFは人に感染しません」という文書を掲示した。上原得義(やすのり)さん(43)によると、この1週間の売り上げは例年同期より2割減。「暑さもあるが、豚コレラによる買い控えもあると思う。今後の情勢を注視したい」と語る。

 県内の主要スーパーによると仕入れや売り上げに影響はないという。一方で、ある担当者は「影響が出るとすればもう少し先。感染が拡大すれば、県産豚の流通が止まることも想定しなければならない」とする。

 県産豚肉を扱う精肉店が多く入居する那覇市の第一牧志公設市場でも豚コレラの影響はほとんどない。ただ、客から「食べても大丈夫か」という問い合わせはあり、照光精肉店の照屋なつさん(52)は「人には感染しないし、感染した豚は市場に出ないということが十分に伝わっていない」と顔を曇らせる。

 同市場では、15日からしゃぶしゃぶ肉の「持ち上げ」(1階の店舗で買った食材を2階の食堂で調理してもらえるサービス)を開始。粟国智光組合長(45)は「この機会に安全な豚肉だとアピールしたい」と話した。