沖縄県内で34年ぶりに発生した豚コレラ(CSF)が広がりを見せるが、人にも感染するといった誤解や安全性に関する風評も見られる。CSFウイルスの特徴や、感染を広げないために注意する点をまとめた。

 豚コレラは豚とイノシシなどの伝染病で、CSFウイルスによって感染する。人間の「コレラ」は細菌が起こす病気であり、「豚コレラ」とは科学的には関係のない別の病気だ。CSFウイルスは豚とイノシシの細胞内でだけ増殖し、人の体内に入っても増殖できずに死滅する。仮に感染した豚の肉を人が食べても感染しない。

 感染した豚の排せつ物や唾液にウイルスが含まれ、養豚場を出入りする人間の靴や衣服、車両などにウイルスが付着することで、養豚場の外に持ち出してしまう恐れがある。

 野生イノシシが感染した場合、体内でウイルスを増殖させながら広い範囲を行動することになるため、感染拡大につながる危険性がある。養豚場近くのネズミやハエなどにウイルスが付着して媒介する可能性も指摘されている。

 農林水産省は「関係のない人は絶対に養豚場に近づかないこと。業務などで出入りする場合には靴底や衣服、車両などを徹底的に消毒する必要がある」と呼び掛けている。

 CSFウイルスは熱や乾燥に弱い。一方で、排せつ物など湿度の高い環境下であれば、3カ月程度感染力を持つというデータがあるという。

 豚への感染力は強く、ごく少量でも体内で爆発的に増殖し、致死率が高い。県は、豚に発熱や食欲不振、目の充血など異常が見られた場合には、すぐに家畜保健衛生所に通報するよう農家に呼び掛けている。