那覇市にある美容外科で、使用期限が数年前に切れた「ダイエット点滴」などの医薬品を患者に投与していた疑いがあることが20日までに、複数の関係者への取材で分かった。関係者らによると院長は期限切れを把握していたが、意図的に使用していたという。期限切れ医薬品使用は医療法に違反する。情報提供を受けた那覇市保健所が今年1月末、事前通告をした上で美容外科への立ち入り検査を実施している。美容外科側は琉球新報の取材に「(期限切れ医薬品の使用は)あり得ない。保健所の調査も受けたが事実無根だった」と疑惑を全面的に否定した。

 那覇市保健所の担当者は「個別の案件については回答は控える。一般的には定期の立ち入り検査については事前に予告する場合もあるし、予告なく行くケースもある」と述べた。立ち入り検査の事前通告については法律に定めがなく、保健所側の判断に任されている。

 複数の関係者は取材に対し、美容外科では2015年に使用期限が切れた「ダイエット点滴」を昨年、患者に注射投与していたと証言。さらに消化機能を促進させる医薬品も使用期限切れのまま患者に投与していたほか、院内には数年前に期限が切れた医薬品が他にもあったという。

 期限切れ医薬品は主にスタッフの一人が管理していて、院長も把握していたという。別のスタッフが期限切れ医薬品を問題視すると、医薬品を管理するスタッフや院長から距離を置かれることもあった。期限切れ医薬品は一般的に効果が薄まるとされる上、医療事故にもつながりかねない。ある関係者は「期限切れ医薬品の使用は意図的にやっていた」と話した。

 「ダイエット点滴」として使用された薬剤を製造した会社は「この薬は美容目的で使用される製剤ではない」としている。