商店の店主が切り分けた豆腐を自宅から持ってきた小鍋に入れてもらう。食品も持参した「買い物袋」に詰め込む。ひと昔前の沖縄では「買い物袋」は日常の一こまだった。布製のほか竹製のカゴを転用している人も。“エコな生活”を先取りしていた▼今やプラスチック製レジ袋が浸透している。買い物だけではない。空き缶や排水溝のごみを入れたりと何枚も使う。マイバッグも定着しつつあるがレジ袋の活用機会は多い。レジ袋が7月1日から全国の小売店で有料になる。背景にあるのは海のプラスチック汚染だ

▼国連環境計画によると、プラスチックごみは年800万トン以上が海に流出している。深海でもペットボトルやレジ袋が見つかっている。海洋生物が誤食して窒息死する被害も相次ぎ生態系を脅かす

▼主要20カ国・地域首脳会議はプラごみによる海洋汚染を2050年にゼロにする目標を掲げている。レジ袋の有料化はプラごみ低減策の一環だ

▼ドイツ人でデザイナーの故ヨーガン・レールさんは天然素材を多用した。晩年は自然に魅せられ石垣島に移住した。海岸の漂着ごみに憤り、プラごみでランプシェードを制作した

▼「強欲な製造と消費。世界は、息もつかせぬ早さで、醜い方向へ変わっています」。ヨーガンさんは著書で大量消費文化に警鐘を鳴らした。日々の積み重ねが“エコな生活”を取り戻す。