伊万里市戦没者追悼式で献花をする市遺族連合会の吉永勝重会長=市民センター

 伊万里市主催の戦没者追悼式が16日、松島町の市民センターで開かれた。遺族ら180人が参列し、日中戦争と太平洋戦争で亡くなった市出身者2719人の霊を慰め、不戦の誓いを新たにした。

 2020〜22年は新型コロナ禍、23年は大雨で中止になり、5年ぶりの開催となった。深浦弘信市長はロシアのウクライナ侵攻など国際情勢が不安定化していることに触れ、「このような時代だからこそ、悲惨な戦争から学んだ教訓と平和の尊さを心に刻み、恒久平和の実現に向けて努力を続けたい」と決意を述べた。

 参列者全員で黙とうをささげ、遺族らが祭壇に献花した。市遺族連合会の吉永勝重会長(82)は「国民の9割が戦後生まれになり、今何もしなければ、他人事として戦争の記憶が忘れられていくのではと心配している。戦争の語り部活動など、微力ながら恒久平和を目標に頑張っていきたい」と語った。(青木宏文)