十字のコートでシャトルを打ち合う参加者=長崎県雲仙市、瑞穂町体育館

 一見するとバドミントンのダブルスのようだが、コートは十字のネットで仕切られ、4チームが同時に対戦する。その名も「雲仙アヅマクロス」。長崎県雲仙市吾妻(あづま)町で生まれた軽スポーツだ。「よかネーミングやろ」と、雲仙アヅマクロス協会の峯政重会長は笑う。

 4チームが一つのシャトルを巡って右往左往。常に3方向に注意を払わなければならない。強いチームを他の3チームで狙い打ちする“共闘”も醍醐味だいごみ。技術に加え、戦略性もクロスする。

 峯会長によると、同競技は2003年ごろ、旧吾妻町の体育指導委員らが考案。シャトルの形状やルール、ラケットの大きさなど試行錯誤を重ねた。その後も、細かなルール改正を繰り返し、より遊びやすい競技へ進化を続ける。

 05年、同町を含む7町が合併して雲仙市に。競技名にも「雲仙」が付いた。市内外から参加者を募った大会を年数回実施し、子ども教室を開くなど普及にも力を入れる。14年の長崎がんばらんば国体ではデモンストレーション競技の一つに採用され、知名度も向上。交流人口拡大にも一役買う。

 19年11月の大会には約130人が参加。ファミリーの部で優勝した同市瑞穂町の船木哉萌(かなめ)君(8)は「シャトルがあちこちから来て難しかったけどおもしろい」。母親の靖子さん(38)は「親子でいい汗流しました」と話し、賞品でもらった市特産のイチゴに笑顔を見せた。

 「まだ足りない部分も多い。誰もが楽しめる競技を目指して、今後も改良を重ねたい」と峯会長。その視線の先では、楽しむ人と支える人の思いをクロスさせながら、シャトルが高く宙を舞った。

 【メモ】雲仙アヅマクロスは、バドミントンのコート2面分に高さ2メートルのネットを十字に張り、2人一組の4チームが競う。シャトルを落とすなどミスをしたら失点を加算し、5失点1セットを3セット繰り返して順位を決める。