福岡市の警固中で導入した新制服を語る後藤富和弁護士(右)と佐賀大学教育学部の吉岡剛彦教授=佐賀市の県弁護士会館

 LGBT(性的少数者)と人権を考える講演会(佐賀県弁護士会主催)が8日、佐賀市中の小路の県弁護士会館で開かれた。当事者や大学教授、福岡市で標準服(制服)の改善運動に携わった弁護士が登壇し、当事者が感じる学校生活でのつらさや制服の取り組みを語った。

 後藤富和弁護士は2019年3月まで福岡市の警固中でPTA会長を務め、性別に関わらずにスカートかスラックスを選べる新制服の導入に携わった。体と心の性が異なる人が制服を「地獄だった」と泣いて振り返るのを聞き、地道な研修や広報活動で理解を求め導入を進めたという。旧制服も残し新制服も選べるようにした工夫も語った。

 佐賀大LGBT支援サークルCARASS(カラス)の健崎まひろ代表は、性的指向と性自認を表す「SOGI(ソジ)」という概念を示し「100人いれば100通りの性のあり方がある」と強調。からかいや否定的な発言など、社会的な理解が乏しいことで、生きづらさがある当事者の思いを伝え、男女別の制服や色分けなど「本当に必要なのかを考える問題意識を持って」と呼び掛けた。

 佐賀大教育学部の吉岡剛彦教授は、学校教育で家族が異性カップルを前提としていることを指摘した。同性カップルや一人親、再婚家庭など多様な家族の形を教育にも取り入れることで「多くの人が住みやすい世の中になる」と話した。「今日は多数派でも、何かのきっかけで明日は少数派になるかもしれない。互いを受容することを、特別でなく『お互いさま』と感じてもらえたら」と語った。