2年ぶりの個展を開いている小泉夕可利さん。新作の「しろくま如来座像」(右)や「雲中しろくま菩薩」などを並べる=佐賀市のギャラリーシルクロ

 愛くるしい面差しや体形の木彫りの動物たちが心和む物語を紡ぐ。唐津市の彫刻家小泉夕可利さん(38)の2年ぶりの個展。長年モチーフとしているシロクマに仏像のイメージを取り込み、中国・西安の世界遺産、兵馬俑(へいばよう)から着想を得たネコやイヌの群れなど、思わず笑みがこぼれる約50点が並ぶ。

 新作の「しろくま如来坐像」や「雲中しろくま菩薩(ぼさつ)」はそれぞれ、寄せ木造りの研究に励んだ佐賀大、同大学院時代に見た、平等院鳳凰堂(ほうおうどう)(京都)の「阿弥陀如来坐像」と「雲中供養菩薩」がヒント。シロクマと雲を組み合わせた雲中しろくま菩薩は、アクリルで着色した雲の上ですやすやと眠ったり、踊ったり、逆さまに乗っていたりと、ポーズは多彩。花を一輪挿して楽しむこともできる。

 同じくシロクマをモチーフとした「交差する気持ち」は高さ120センチの大作。真反対を向く2頭を立体的に重ね、人間同士の心模様を浮かび上がらせた。

 「へーばーわん」と「へーばーにゃん時々わん」は愛犬のチワワやネコに、兵馬俑のイメージを重ねた。表情やしっぽの長さなどを微妙に変え、一体、一体に生命を吹き込んだ。

 底部に鉛を入れた起き上がりこぼしのような作品、中に詰めた木片がからからと鳴る作品など、彫刻を身近に感じてもらおうと、触れて楽しめるよう工夫を凝らした。高校で美術を教えながら創作に励む小泉さんは「シロクマを円状につなげてみるなど、今後もいろいろなアイデアを形にしたい」と話す。

 ▼佐賀市松原のギャラリーシルクロ=電話050(1438)0501=で22日まで。