「カチッ、カチッ」と鳴き声がするので外に出ると、カチガラスのつがいが自宅横の電柱に巣を作っていた。小枝をつまんで飛んできては懸命に積み上げている。しばらくお目にかかっていなかったカチガラスだが、白と黒のコントラストが鮮やかだ◆「雀始巣(すずめはじめてすくう)」。5日ごとに季節がめぐる「七十二候」で言えば、「春分の日」の20日から24日ごろまでをそう表現する。自然の摂理は正確で暦通りに鳥たちの巣作りのシーズンに入った。そして暦は「桜始開(さくらはじめてひらく)」、「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」と自然の移ろいを刻む◆農作業の目安にするため1年を24等分した「二十四節気」。これをさらに3等分したのが「七十二候」である。この「気」と「候」を合わせて「気候」という言葉が生まれた◆鳥の巣作りは「啓蟄(けいちつ)」が過ぎ、動き始めた虫を餌にできる季節を迎えたからだろう。新型コロナウイルスの流行で巣ごもりを強いられている人間の世界。行事の自粛も続き、そろそろ限界の声も出そうだ◆カチガラスの様子をうかがっていると、どこからか「チョットコイ、チョットコイ」と鳴く声が。いまは不要不急の外出は控えたほうがいいと言われているんですよ、鳥さん。〈小綬鶏(こじゅけい)のちょっと来いには乗るまいぞ〉辰巳あした。(丸)