4月12日にレクチャーコンサートを開く丸山繁雄さん=佐賀市の自宅

佐賀大学名誉教授のテノール歌手丸山繁雄さん(87)=佐賀市=が4月12日、3年ぶりとなる「レクチャーコンサート」を佐賀市文化会館で開く。日本やドイツ、イタリア歌曲など合わせて約20曲を、長年の声楽研究を踏まえた唱法、呼吸法の解説を交えながら披露する。米寿を迎える今回を集大成と位置付け、準備を続けている。

 丸山さんは大学退官から10年後の2008年、「じっくりと声楽に向き合うため、自分が学生時代に学んだ教えをまとめておきたい」と声楽の教則本『singing−うたうとき(1)−』を発表した。傘寿を迎えた12年に、本の内容を踏まえながら声楽の基礎を解説するレクチャーコンサートを開いた。

 さらに16年には、大幅に加筆した『うたうとき(2)』を出した。翌年、85歳で開いたレクチャーコンサートで一連の企画は締めくくったつもりだった。

 だが、「消化不良というか、伝えたいことはまだまだある。例えば、ブレスにしても、本来は歌い出しに直結する準備なのに、多くの人が単に『息を吸う』と誤解している」と感じた。昨年、『うたうとき(3)』を出版。3度目のレクチャーコンサートへ向け準備を進めてきた。

 当日は、佐賀市のピアニスト濱手美貴子さんが演奏する。配布するプログラムには「六(ろっ)騎(きゅう)」(北原白秋作詞、山田耕筰作曲)など当日披露する歌曲に加えて、腹式呼吸法や横隔膜式呼吸法といった唱法についての詳しい解説も掲載する。

 午前中は毎日3時間以上、発声練習に励む。「楽譜を深く読み込み、呼吸法を使い分けることで味わいを出せるようになる。歌い込むほどに曲の情景が浮かんでくる」。室内の温度調整や体調管理に気を配り、伸びやかで、つややかな声を保っている。

 個人として舞台に立つのは、今回が最後。丸山さんは「ずっと教育畑を歩んできた。さまざまな唱法に触れてもらい、音楽を楽しむ多様な視点や選択肢を示したい」と語る。

 ▼佐賀市文化会館中ホールで午後1時半開場、同2時開演。入場料2000円。問い合わせは丸山さん、電話0952(24)1732。

まるやま・しげお 1932年、福岡県大牟田市生まれ。佐賀大学と東京芸術大学で学び、佐賀大学附属中教諭や同大学教授を務めた。ドイツのバリトン歌手、ゲルハルト・ヒッシュ氏に師事。74年に県民オペラ協会を設立した。県お母さんコーラス連盟会長やNPO法人県音楽連盟理事長を務め、県内外での合唱指導も行う。