野生動物の販売禁止などを呼び掛ける表示=4月、北京(共同)

 【北京共同】中国政府が、野生動物など一般的な家畜や家禽(かきん)ではない「野味」の食用を全面禁止する方針を打ち出した。新型コロナウイルスを媒介した恐れが指摘されているためだ。4月上旬には家畜など食べられる動物のリスト案を公表。「野味」の多くが飼育されたものだが、リスト外の動物は食べられなくなる可能性が高く、業者に波紋が広がっている。

 「ヘビやタケネズミは食べてはいけない」「イヌは食卓からお別れ」。政府が「国家家畜家禽遺伝資源リスト」の意見公募を始めると中国メディアはこう報じた。

 リストは食用、皮革の活用、乳業、牧畜などが可能な31種類の動物を列挙、他の動物は商業的に扱えなくなるもようだ。

 一般的な家畜や家禽に加え、繁殖技術が確立しているなどとして数種のシカや鳥はリストに入ったが、政府が貧困世帯に飼育を推奨してきたタケネズミは漏れた。一部地域で食用に飼育・取引されてきたイヌも「人類の伴侶」として外された。

 タケネズミの飼育業を20年営む湖南省の男性(51)は「政府が支持する事業だからと借金をして始めたのに」と話す。感染症対策で取引が停止され、損失を出しながらも飼育を続けてきた。「事業を継続して良いのか分からない。だめなら処分し、サトウキビでも育てるしかない」と嘆く。