水門が開くと勢いよく回り始める町切水車=唐津市相知町町切

 本格的な田植えシーズンの到来を前に、唐津市相知町の「町切水車」2基が6日、回り始めた。江戸時代初期から伝わる初夏の風物詩で、用水路から水をくみ上げて田んぼを潤す。10月まで回り続ける。

 厳木川から引いた水路に置かれ、水路よりも高い田んぼ1反(約10アール)に、16個のひしゃくが水を流し込む。唐津工高建築科の生徒が3年前に制作したものと、20年以上前に作ったものを補修しながら使っている。

 例年は唐津工の生徒たちが作業に加わっていたが、今年は新型コロナウイルスの影響で地区の住民ら約15人のみが参加した。部品の組み立てから設置まで、約3時間かけて汗を流した。

 水門を開いた途端、直径2メートル50センチほどの水車が勢いよく回り始めた。祖父の家へ遊びに来て、水車の設置を見た鏡山小5年の木村颯芯(そうしん)君は「初めて見たけど、仕組みが分かった。これを考えた昔の人はすごいと思う」と感心していた。

 町切水車保存会の長友貞美会長(65)は「今はモーターでもくみ上げられるが、町切の風物詩を残したいとの声があり活動してきた」と継承する思いを語り、「以前は個々人でやっていた。地区の方が協力してくれている以上、これからも続けていきたい」と話していた。