きやぶ百景 みやき町の麦畑

 麦収穫が間近になり、黄金色と空の青さは5月の季語にふさわしい風景だが、今年は緊急事態宣言の発令で大きく様変わりした。

 「コロナ禍で 巣ごもりの窓 麦の秋」。ふと屋外を見ていると、一面黄金色の麦畑に心が癒やされた。麦は小麦、六条大麦、二条大麦、はだか麦に大別されるが、佐賀県は二条大麦の作付け面積が日本一を誇り、みやき町でも広く麦栽培が行われている。

 麦栽培サイクルは、晩秋から初冬に種をまき、寒い冬にローラーを使って麦を踏む。初夏に黄熟して刈り取る。温暖な気候に恵まれることで、主にお米との二毛作が行われている。

 この時季、地元有志が子どもたちの成長を願って「こいのぼり」を掲揚しているが、元気に泳ぐ姿は麦畑にマッチしている。

 今、新型コロナウイルス感染と決戦中だが、踏まれても強く育つ麦の生命力、花言葉の「繁栄」「希望」を心の支えにして美しい原風景を守らねばと痛感する。

絵 水田哲夫=鳥栖市本町

文 太田家良明=みやき町白壁