「木原慶吾&スピリッツ」の無観客ライブ映像の一場面(提供写真)

 佐賀市駅前中央でライブハウス「GEILS(ガイルス)」を営むミュージシャンの木原慶吾さん(68)=同市=が、自身のバンド「木原慶吾&スピリッツ」の無観客ライブを動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開中だ。新型コロナウイルスの影響でライブハウスが苦境に立つ中、収束後を見据え、音楽ファンの開拓につながる多様な配信を企画していく。

 オリジナル曲13曲を約1時間演奏する模様を6月20日から公開。初めて経験する無観客ライブに、木原さんは「コールアンドレスポンスで盛り上がる曲も、客席からの反応は当然ない。つらかった」と複雑な思いを口にする。

 「3密」の状況が生じやすいとされるライブハウスは、新型コロナウイルス感染予防のため、早くから営業自粛を迫られた。ガイルスでも3月以降、オレンジレンジやザ・バースディなど有名バンドを含む30本以上のライブの中止や延期が相次ぎ、再開は10月までずれ込む見通しだ。

 木原さんは音響や照明などイベント関連の仕事も受注。苦境に追い打ちをかけるように、今年は佐賀城下栄の国まつりや佐賀インターナショナルバルーンフェスタといった大イベントが中止となった。今後、音響や照明の技術者が他業種へ流れると、イベントの裏方を担う人材確保が難しくなることから「今欲しいのは補助金より仕事」と切実な声を上げる。

 こうした窮状の打開策として考えたのがライブ動画の配信。今回は無観客だったが、今後は限られた人数の観客を入れた動画も企画する。投げ銭の受け付け、出演者によっては有料配信にする構想も。ライブハウスになじみのなかった客層を取り込み、遠方に住む人たちにも知ってもらうことで、新たなファンを掘り起こしたい考えだ。 

 木原さんは「音楽業界は立ち止まったら終わる」。ミュージシャン、経営者両方の視点から“アフターコロナ”の展開を模索している。