国重要文化財のレプリカが並ぶ資料展示室と武雄哲司宮司=武雄市の武雄神社

 武雄市の武雄神社に、国重要文化財の古文書「武雄神社文書」(レプリカ)を見ることができる資料展示室が完成した。12通の古文書や戊辰戦争で使われたレミルトン銃のレプリカなど約20点が並び、中世を中心に武雄の歴史を伝えている。

 武雄神社文書は、同神社に伝わる平安中期から室町末期にかけた218通の文書群。1979年に国重文に指定された。鎌倉幕府の御家人でもあった宮司が、所領を拡大して荘園に発展していく過程が分かる文書などが多い。現在は25巻の巻物になって佐賀県立図書館に保管されている。

 資料展示室は「佐賀県最古のものも含まれる古文書で、武雄の歴史を知ってほしい」(武雄哲司宮司)と、社務所の増改築に併せて設けた。国重文の古文書も和紙などを用いてレプリカを作り、展示することにした。

 「武雄社領四至実檢状(じっけんじょう)」は天暦5(951)年に書かれた佐賀県最古の文書。武雄神社の土地を調査して境界(四至)を報告した書状で、大宰府使7人の花押がある。地方と中央の関係を知ることができる貴重な資料で、天平年間に創祀(そうし)されたとされる武雄神社が文献上で初めて登場した。

 「関東下知状」は、荘園を取り仕切る役職を巡る争いに対し、鎌倉幕府(関東)が出した命令書(下知状)。遠江守平(北条時政)の名があり、大宰府で適否を判断するよう命じている。武雄神社が御家人になっていたことを示す。

 このほか、戊辰戦争で新政府軍として羽州(秋田・山形)に出兵した武雄鍋島軍が羽州戦争で使用したレミルトン銃やよろいなど、武雄の歴史の一端を示す資料も展示。流鏑馬(やぶさめ)などの伝統行事を映すモニターも設置している。

 武雄宮司は「幕府から武雄が注目されていたことなどが分かり、武雄を誇りに思える。古文書のレプリカも増やしていきたい。小中学生の郷土史の勉強にも使ってほしい」と話す。