親と暮らせない子受け入れ ファミリーホーム 県内2カ所新設

■計4カ所で協議会発足

 親代わりの大人が少人数の子どもと共同生活をする「ファミリーホーム」が本年度、佐賀市と三養基郡みやき町に1カ所ずつ新設された。里親と児童養護施設の中間的な役割を担い、虐待や育児放棄などさまざまな事情で親と暮らせない子どもを受け入れる。佐賀県内のファミリーホームは4カ所になり、協議会も設立された。養育や運営の在り方を共有し、家庭的に寄り添う環境の充実を目指す。

 ファミリーホームは、親と別居する18歳以下の子どもたちが、児童相談所から委託を受けた養育者と暮らす。定員は5〜6人で、一般の住宅でも開所できる。  森田真二さん(38)、眞奈美さん(37)夫妻はみやき町に「モリタホーム」を4月に立ち上げ、1人を受け入れている。真二さんは児童養護施設で16年間働いた経験があり、「施設を退所した後も子どもたちが相談できる場所が必要だと思った。ファミリーホームは少人数で、自立した後も長く太く関われる」と話す。  佐賀市の瀬戸雄也さん(38)、美保さん(34)夫妻は飲食店を改装して「かみぞのホーム」を4月に設立、1人を受け入れている。児童養護に関心があった雄也さんと乳児院に勤めていた美保さんが、自身の子どもと一緒に「地域で育てたい」という思いで始めた。  県内7カ所の児童養護施設や乳児院に入所する子どもは8月1日現在220人で、里親への委託児童数は45人(4月1日現在)。国は、児童養護施設に多くの子どもたちが入所する現状を変えようと、里親やファミリーホームでの家庭的養護の拡充を目指している。ただ、登録里親数は全国的に伸び悩み、児童福祉の担い手としてファミリーホームの役割が増している。  森田、瀬戸両夫妻は子どもとの信頼関係づくりに努め、「心に傷のある子どもたちの『育ち直し』を目指して、安心できる場をつくっていきたい」「自立後も帰ってきてくれる温かいホームにしたい」と話す。  佐賀県ファミリーホーム協議会は7月に発足し、養育者と児童養護施設の職員ら8人がメンバーになっている。2カ月に1度のペースで集まり、家庭的な雰囲気の中でもどうしつけに向き合うかや、ホームと施設が互いに支援し合う仕組みを話し合っている。  ファミリーホームは全国で年間に20〜30カ所が新設される一方、養育者の高齢化に伴い閉鎖するケースもあるという。協議会代表で、唐津市肥前町で「まきやまホーム」を営む牧山勇人さん(51)は「若い人が安心して担い手になれるようにしなければならない」と話し、サポート役の補助者も雇用できるように、ファミリーホームの安定的な運営につながる措置費の拡充を関係機関に働きかけていく考えだ。

 ■ファミリーホーム

 2009年の児童福祉法改正で制度化された小規模住居型の養護施設。養育者と補助者の計3人で育てることが条件とされている。国は家庭的養護を推進するため2011年、委託率を「児童養護施設」「小規模グループホーム」「里親とファミリーホーム」で3分の1ずつとする目標を設けた。ファミリーホームは16年3月末現在、全国に287カ所ある。佐賀県は15年3月策定の家庭的養護推進計画で19年度までに、ファミリーホームで12人を受け入れる数値目標を掲げている。

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