新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染が猛威を振るっていますが、すでにニュースなどで報じられているとおり、ウイルスは肺に多大なダメージを与える可能性があります。特に心肺機能が衰えている人にとって、生死にかかわる大きな問題となります。今回は、細菌やウイルスの侵入によって引き起こされる肺炎について、その病状や予防策などを講じてみたいと思います。

風邪と症状は似ているが、重症化する可能性が高い

肺炎の原因としては「細菌性肺炎」が最も多く、様々な細菌の中で「肺炎球菌」が原因となることが多いです。また、その他ウイルスや、マイコプラズマ、クラミジアなども原因となります。人間の体から分泌される唾液には免疫作用がありますが、体調不良などで唾液分泌が低下すると、感染しやすくなってしまいます。

肺炎で見られる症状は、せき、発熱、たん、喘鳴といったもので、これらは一般的に風邪の症状と酷似しているため、発見が遅れてしまうケースが多々あります。風邪も同じく細菌やウイルスによる病気ですが、鼻やのどといった上気道に炎症が起きるため、肺炎とは異なります。

風邪とよく似た症状でありながら、肺炎はより長期化する傾向にあるため、安静にしていても息苦しいなどの症状が改善されない場合、一刻も早く病院へ行かなくてはなりません。風邪は放っておいても治るケースがありますが、肺炎の場合は重症化する可能性が高いため注意が必要です。

高齢者が特に注意したい「誤嚥性肺炎」

通常は空気感染(飛沫感染)によって細菌やウイルスは人から人へとうつりますが、高齢者が発症する肺炎はその限りではありません。

一般的に高齢者は飲み込む力や吐き出す力に衰えが見られます。飲食物などを口に入れた際、誤って気管に入り込んでしまうことを「誤嚥(ごえん)」と言いますが、細菌を含んだ飲食物が気管へ侵入し、肺炎を引き起こすこともあるのです。これを「誤嚥性肺炎」と言います。

高齢者の死亡原因の第1位が肺炎であり、そのほとんどのケースが誤嚥性肺炎とみられています。また、虫歯や歯周病が進行すると、口腔内の雑菌が増加し、誤嚥性肺炎を発症することも考えられます。口腔ケアは介護の重大なテーマと考えられていますが、その裏には、このような命にかかわる大変危険なリスクもあるのです。

高齢者ほど重篤になりやすい、新型コロナウイルスにも注意

現在流行している新型コロナウイルスは、年齢や性別関係なく、日を増すごとに感染者数の増加が見られます。それでも厚生労働省の発表によると、高齢者の方で基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患など)のある人ほど、重症化しやすいとされています。

日本では、2020年2月に大型クルーズ船内で起きた集団感染により多数の乗客が新型コロナウイルスに罹患しましたが、当初、死亡した人の多くは70歳以上の高齢者だったことは記憶に新しいことかと思います。現在、日本政府は国民に対し、行動の自粛を呼びかけています。いつどこで、誰がウイルスを持ち込んでくるかわからない状況に、常にさらされている危機感を持たなくてはなりません。