コロナ禍のいま、離れて暮らす家族のためにできること

認知症の進行を食い止めるには早期発見がカギと言われていますが、離れて暮らしている場合、さらにパートナーや同居人のいない一人暮らしだとなかなか周囲の目が行き届かず、少しの体調変化を見逃してしまうことが考えられます。

追い打ちをかけるかのように、新型コロナウイルス感染の危険性があることから、安否確認するにも都道府県をまたいでの移動に制限がかかるケースや、家族がウイルスを持ち込んでしまうリスクも考えられます。

この場合できることは、定期的に連絡をとり、会話から心境や体調に変化がないかうかがうことです。電話で話すことがもっともオーソドックスな手法ですが、インターネット環境が整っている場合、Skype(スカイプ)やZoom(ズーム)などのビデオ通話も有効です。映像を通じたコミュニケーションは、声だけではわからない表情や生活空間の微妙な変化にも気づきやすいものです。同時にコミュニケーションを図ることは、気持ちや脳への刺激につながるため、家族とふれあう楽しみや気持ちのメリハリが生まれます。

定期的に介護サービスを利用している場合、担当のケアマネジャーやホームヘルパーから、体調や暮らしの中で生じた変化などについても報告してもらうようにしましょう。一緒に暮らしているからこそ気づくこと、離れて暮らしているからこそ気にかけなければいけないこと。各家庭によって事情は異なるでしょうが、高齢者を抱える家族にはさまざまな配慮が必要なのです。

少しでも疑わしい場合は、早期の受診を

認知症の疑いがあった場合は、まずは早急に病院で検査を受けましょう。その症状がただの加齢による物忘れなのか、それとも本当に認知症なのかは医師の診断を受けなければ正確にはわかりません。

認知症でもっとも多いアルツハイマー型認知症の場合、その進行は比較的ゆるやかですが、完全な治療が難しいことからも、できるだけ早期に発見して対策を打つ必要があります。まずは病院で診察してもらい、より詳細な検査が必要な場合は紹介状を書いてもらい大きな病院で診察を受けましょう。

認知症の診断には、一般的に「長谷川式認知症スケール」が用いられます。これは「あなたの年齢はいくつですか?」といった初歩的な質問に始まり、計算式や暗記などを回答していく知能評価テストです。30点満点で20点以下だと認知症の疑いがあるとされています。

その他にも、最近では、CTやMRIで脳の形状を測ることが可能になり、脳の萎縮が見られるアルツハイマー型認知症の発見が容易になりました。同時に脳腫瘍や脳出血といった症状も発見できる為、認知症検査と併せて確認しておきたいところです。

また脳の血流を測る「SPECT」、脳の代謝を測る「PET」といった検査もあり、これらも認知症の早期発見につながります。 ただし、SPECTやPETは、保険適用(1割負担)の場合でも、個人負担額が1万円前後かかります。CTやMRIの費用も合わせ、検査にはそれなりの出費がかかることも頭に入れておきましょう。

早期発見が家族の余生のあり方を決める

現在は薬により認知症の進行を遅らせることが可能になりました。また薬に頼るばかりでなく、テキストを用いた脳トレや、指先や全身を動かすことで老化の防止につなげるエクササイズなども登場しており、さまざまな面で認知症対策が講じられています。

認知症は早期発見が決め手となります。いつの間にか症状が著しく進んでいた......とならないためにも、普段から家族の様子に気を配るようにしましょう。