老人ホームやデイサービスでは、高齢者が集まって楽しみながら交流を深める「レクリエーション」が実施されており、「レクリエーション」の豊富さが老人ホームの特色になっている場合もあります。

レクリエーションは折り紙やクイズ、体を動かすようなものまでさまざまですが、単調になりがちな生活に変化を与える目的だけではなく、老人ホームでの暮らしのなかでは重要な役割を果たしています。

今回は、老人ホームのレクリエーションについて紹介していきます。

レクリエーションは、身体・脳・心の健康によい影響を与える

老人ホームがレクリエーションを取り入れている理由は、多くあります。ひとつずつ紹介していきましょう。

▼1. 脳機能や身体機能を活性化させる

簡単な計算など頭を使うゲームや、ことわざなど言葉を使うクイズ、折り紙などの指先を使う遊び…。こういったことに楽しんで取り組むと脳が活性化し、認知症の予防あるいは、その進行を食い止められるといわれています。

また脳だけでなく体の健康を維持する効果も、レクリエーションには期待できます。いくら身体の動きが鈍くなっているとはいえ、まったく体を動かさなければ筋力は衰える一方。過度な安静で身体機能がさらに衰えると「廃用症候群」に陥ります。

「骨折が原因で入院し、病院から出てきたらADL(日常生活動作)が低下していた」といった現象が起きるのもそのためです。高齢者の場合、1週間寝たままの状態を続けると、10〜15%程度筋力が低下するとされています。まずは動く機会を作ること。自分でできることは極力自力で行うように促しましょう。

それができたら、徐々に身体を使うレクリエーションへいざないましょう。レクリエーションでの軽い運動や脳トレは、高齢者の脳機能・身体機能の低下を食い止めるのです。

▼2. コミュニケーションの促進

高齢になり、体力や身体機能が衰えると自然と外出が減ってしまいます。その結果、一人暮らしの老人などがそういった状態を続けると、引きこもりやうつ病になってしまうこともあります。そして、認知症を引き起こすことも。原因のひとつとして、他者とのコミュニケーションの減少が挙げられています。

デイサービスや老人ホームでのレクリエーションは、社会生活や他者との交流・つながりの楽しさを再度感じてもらう目的があります。コミュニケーションの量が多くなることで、脳の活性化も期待できます。

▼3. 高齢者のADL(日常生活の動作)とQOL(生活の質)を上げる

身体機能の向上を目指すリハビリテーションの意味も含めたレクリエーションは、ADL(日常生活の動作)を高める目的があります。そして、脳機能や身体機能が活性化し、他者とのコミュニケーションも増えていくと、毎日の生活の質も向上していきます。QOL(Quality of Life=生活の質)とは、どれだけ人間らしく、生きる喜びや楽しみを見出しているかという概念で、現在の介護では非常に重要な考え方です。

ADLとQOLを高めることは高齢者の尊厳を保ちながら、健康に楽しく長生きするために欠かせないものなのです。

頭も、体も、指先もフル活用!老人ホームのレクリエーションの種類
 
では、まずはどのようなレクリエーションが各施設で実施されているか見ていきましょう。

▼体操・運動・身体を動かすレクリエーション
風船を落とさないようにする「風船バレー」や、鬼が出した条件に当てはまる人が席を移動する「フルーツバスケット」など、大勢で実施するものが中心ですが、お手玉など一人で出来るものもあります。

・風船バレー
・フルーツバスケット
・ラジオ体操
・お手玉
・輪投げ
・ボール運び
など

▼頭を使うレクリエーション
オセロや将棋などのボードゲームや、クイズ・なぞなぞです。身体の自由があまり利かない方でも楽しむことができます。50音が書かれたカードを1枚引いて、その文字が頭文字となる言葉を書き出す「頭文字さがし」や、上下左右逆さまにした文字を見てなにが書かれているか当てる「逆文字ゲーム」など趣向を凝らしたものも多くあります。

・オセロなどのボードゲーム
・しりとり
・頭文字さがし
・逆文字ゲーム
・なぞなぞ
・クロスワードパズル
など

▼指先を使うレクリエーション
折り紙や塗り絵、手芸など、高齢者の方が小さい頃に慣れ親しんだ遊びです。男性よりも女性に好まれる傾向があります。作ったものは家族にプレゼントすることもできます。

・折り紙
・塗り絵
・手芸
・お菓子作り
・書道
・生花
など

▼音楽や歌、異世代交流など
その他に代表的なものとして、音楽を使ってのレクリエーションがあります。童謡の合唱や輪唱、リズムに合わせて歌ったりとバリエーション豊富です。

また、簡単な打楽器を演奏することは脳機能・身体機能の活性化に大変有効です。施設によってはのど自慢大会や簡単な楽器の演奏をおこなうところもあります。

他にも、幼稚園の園児などと交流を行うことで触れ合いの機会を設けたり、犬や猫などの動物セラピーを行う施設もあります。