<9条俳句訴訟>掲載拒否は違法、東京高裁で控訴審判決 不公正な取り扱い指摘、掲載請求は棄却

 さいたま市大宮区の三橋公民館が2014年6月、同公民館で活動する句会会員の女性(77)が詠んだ俳句「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の公民館だよりへの掲載を拒否したのは、表現の自由を保障した憲法21条に違反するなどとして、市を相手取り作品の掲載と慰謝料200万円余の支払いを求めた国家賠償請求訴訟の控訴審判決が18日、東京高裁で開かれた。白石史子裁判長は「女性の思想、信条を理由に他の俳句と異なる不公正な取り扱いをし、女性の人格的利益を違法に侵害した」「掲載しなかったことに正当な理由はなく、国家賠償上違法」として、市に賠償を命じた。賠償額は一審のさいたま地裁判決の慰謝料5万円から5千円に減額した。掲載請求は一審に続いて棄却した。

 判決理由で白石裁判長は、俳句を公民館だよりに掲載する際、句会や作者の名前が明示され、「直ちに三橋公民館の中立性、公平性、公正性を害するとはいえない」と指摘。「意見の対立があることを理由に、住民の学習成果を掲載から排除することは、他の住民の学習成果の発表行為と比較して不公正な取り扱いとして許されない」と述べた。

 その上で「思想、信条を理由として不公正な取り扱いをした公民館職員らの故意過失も認められる」とした。

 判決などによると、「梅雨空に」の俳句は、句会会員でさいたま市大宮区の原告女性が東京都内に出掛けた際、雨の中でデモ行進する女性たちに共感した思いをつづったもの。句会が公民館だよりに掲載する句として選出したところ、公民館が「世論を二分する題材を扱っている」「公民館の考えであると誤解を招く」などとして掲載拒否した。

 一審のさいたま地裁判決は「職員の不公正な取り扱いで、原告の利益である掲載の期待が侵害された」として、市に慰謝料5万円の支払いを命じた。これに対し、市は判決を不服として控訴。原告側も掲載などを求めて控訴した。

 さいたま市の清水勇人市長は「今後、判決内容を十分精査し、対応を検討したい」とのコメントを発表した。

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