荻窪は、古くからの庶民派の店舗と、おしゃれで新しい店舗が入り交じり、個性豊かな個人店が多く連なる。喫茶店もその一つで、純喫茶の名店から、名曲喫茶、こだわり店主の喫茶店まで、同じ“色”の店は二つとない。この週末は、もてなしの空間も、提供する1杯も、それぞれ独自の味をもつ、喫茶店めぐりへ繰り出そう。

名曲喫茶ミニヨン

荻窪で約60年。レコードの音に耳を傾け、ゆるりコーヒータイムを

街の喧噪を逃れ、ビル2階に広がる優雅な空間。

ガラス扉を開けてまっさきに目を引く、カウンター奥の棚に並べられる約5000枚のレコード。昭和36年(1961)創業の老舗名曲喫茶店で、レコードリストからリクエストも可能だ。スピーカーから流れる名曲に耳を傾けながら、ブレンドコーヒー450円と手作りのクッキー200円を堪能できる。チェンバロの製作者の方から借りているというギャラリースペースも併設。

ブレンドコーヒーはソフト、またはビターを選べ、クッキーは日によって種類も異なる。 チェンバロが置かれたギャラリースペースは、見学の際はママへひと声かけよう。

『名曲喫茶ミニヨン』店舗詳細

名曲喫茶ミニヨン(めいきょくきっさみによん)
住所:東京都杉並区荻窪4-31-3 マルイチビル2F/営業時間:12:00〜19:00/定休日:水/アクセス:JR荻窪駅徒歩3分

A bientot

1杯に注ぐ店主の情熱。自家焙煎のコーヒーに舌鼓

豆の販売も行っている。

カフェで3年、焙煎士として3年の修業を積んできた前田さんが一人で営む喫茶店。自家焙煎した新鮮な豆を使い、ネルドリップで抽出している。ネルドリップは、使用する豆の量もペーパードリップに比べ約1.5倍、ネルを洗うという手間もかかる。加えて、共に味わうスイーツも自家製と、そのこだわりは半端ではない。これだけ手をかけるのは、前田さんの“コーヒーを楽しんでもらいたい”という真摯な思いの表れ。貴重な1杯はぜひ一度試してみたい。

ノワールブレンド(深煎り)600円、自家製チーズケーキ450円。 焙煎からネルドリップまで一人で全作業を行う前田さん。

『A bientot』店舗詳細

A bientot(あ・びあんと)
住所:東京都杉並区荻窪5−10−21 TYビル1F/営業時間:11:00〜19:00/定休日:水、第1・3火/アクセス:JR中央線・地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩6分

荻窪 邪宗門

昭和30年代の世界へ誘う、中央線沿線を代表する老舗純喫茶

店内には、凝り性だったという政利さんが集めた、写真や古道具などが飾られ、昭和の風情が残る。

国立にあった「国立 邪宗門」の暖簾(のれん)分けでオープンした、純喫茶の名店。昭和30年、風呂田和枝さんと今は亡きご主人・政利さんご夫婦が立ち上げた。「うちのストレートコーヒーは全部イタリア製のエスプレッソメーカーで淹れてお出ししているのよ。ご自分で注いでくださいね」と、和枝さんが出してくれたコーヒーの量にびっくり! コーヒーカップでも約3杯、普通のマグカップでも1.5杯分はあると思われる。注文が入ってから豆を挽き、丁寧に淹れてくれるコーヒーをじっくり、たっぷりと味わえる。

笑顔がかわいらしい風呂田和枝さん。 毎月一回程度変更されるストレートコーヒー590円〜。

『荻窪 邪宗門』店舗詳細

荻窪 邪宗門(おぎくぼ じゃしゅうもん)
住所:東京都杉並区上荻1-6-11/営業時間:16:00〜22:00/定休日:不定/アクセス:JR荻窪駅徒歩2分

文・構成=千葉香苗 取材・撮影=ミヤウチマサコ