いざ決戦ー。事実上の与野党一騎打ちとなる見込みの衆院島根1区補選の告示を翌日に控えた15日、立候補予定者の各陣営はポスターや選挙はがきの準備作業などに追われた。

 午前10時半過ぎ、松江市殿町にある自民党新人の錦織功政氏(55)の選挙事務所で、国光文乃衆院議員(茨城6区)に配布用のリーフレットを預けたスタッフが「頑張って下さい」と声をかけ、拍手で送り出した。

 スタッフは、訪れた国会議員や業界団体関係者への対応のほか、遊説場所の確認や順次発送する選挙はがきの記入などで慌ただしく動いた。派閥の政治資金パーティー裏金事件で逆風が吹く中、錦織氏は正午、同市八幡町の企業前の街頭演説で、昼休み中の有権者ら約100人に「政治改革の動きを後押しする」と主張。1区選挙対策本部の嘉本祐一事務本部長は「錦織氏への期待の声が高まっており、追い上げつつあるのを感じている」と話した。

 立憲民主党元職の亀井亜紀子氏(58)は午前8時から、松江市朝日町で街頭に立ち、通行人に「島根から政治を変える」と訴えた。松江、安来両市内で14日に開いた集会には党本部の西村智奈美代表代行を含む国会議員9人が駆けつけ、「岸田政権はおかしい」「自民党にノーを突きつけるべきだ」などと、裏金事件を踏まえた政治改革の必要性を強調した。

 松江市東朝日町の選挙事務所では県連や支持母体の連合島根の幹部らが、遊説ルートの配置や現場での役割分担を確認。後援会関係者らも同市津田町の県連事務所に常駐し、選挙はがきの記入や仕分け作業に追われた。総合選挙対策委員会の角智子委員長代行は「初日が肝心。気合いを入れていく」と述べた。

 補選はこのほか、無所属新人の佐々木信夫氏(85)が立候補を予定している。