島根県海士町で重さ1キロ超の巨大イワガキが約100個水揚げされて話題となっている。新型コロナウイルス禍で需要がなくなり出荷できずに成長が続いたもので、1・5キロ超の2個体は生産者が「ギネス世界記録に申請できるかどうかを調べて、どこまで大きくなるか研究してみたい」と養殖を続けるつもりだ。

 巨大イワガキは同町豊田の中村和夫さん(47)が養殖したもの。中村さんはホタテの貝殻にイワガキの幼生を付けて内海で育てる「耳吊り」という方法でイワガキを養殖する。通常は3年でS(200〜249グラム)から3L(400〜499グラム)までの大きさにして首都圏や関西圏の市場に出荷する。

 コロナ禍で飲食店の需要がほぼなくなった時期があり、出荷できない個体があった。コロナが落ち着いても水揚げしていなかった約100個は6年もので、いずれも1キロ超という巨大サイズに育った。

 中村さんが15日に豊田漁港近くの養殖場から水揚げし、フジツボなど付着物を落とした上で計測。最大は重さ1・6キロで、長さ約20センチ、幅約14センチ。厚みは約10センチだった。サイズ換算すると15Lになるという。次に大きい1・5キロの個体とともに研究用に保存するといい、「海につけて、2〜3キロという誰も超えられないサイズにしたい」と話している。

 豊田区長でイワガキ養殖歴30年以上という山下照夫さん(75)は「こんなに大きいものがあるとは、ただただ驚いた」と目を丸くしていた。