【神戸製鋼会見詳報(1)】リコール費用「負担の腹づもりある」と川崎会長兼社長

【神戸製鋼会見詳報(1)】リコール費用「負担の腹づもりある」と川崎会長兼社長

 神戸製鋼所は13日、一連の性能データ改竄問題で新たに鋼線や特殊鋼など9製品でも、不適切行為が確認されたと発表した。同社が12日時点で「不正はない」と説明していた鉄鋼製品にも問題が広がった。日本のものづくりに対する信頼を揺るがす重大な不祥事に発展し、午後5時から品川プリンスホテル(東京都港区)で開かれた記者会見には約300人の報道陣がつめかけた。

 会見は予定より1分早い4時59分にスタート。同社の用意した説明資料が集まった記者の数より少なく、担当者が急いでコピーに走る混乱ぶりも見せた。

 説明に当たったのは、川崎博也会長兼社長と勝川四志彦常務執行役員、内山修造ものづくり推進部長の3人。冒頭で川崎会長が「不適切な行為でユーザー様、消費者の皆様に多大なご迷惑をおかけしており、改めておわび申し上げます」と陳謝し、深々と頭を下げた。

 新たに不正が見つかった製品は、中国の2次加工メーカー2社で製造した鋼線約3800トンのほか、特殊鋼約4000トン、ステンレス鋼線約550トンなど。アルミ・銅製品でも新たに5件判明した。

 いずれも性能検査の一部を実施していなかったり、検査データを書き換えるといった捏造、改竄を行ったりしていた。もっとも古い例は10年余り前の平成19年4月出荷分までさかのぼり、今回判明した納入先はのべ200社以上に上る。

 前日に「不正はない」と説明していた鉄鋼製品でも不正が発覚したことについて、川崎氏は「今回の自主点検の連続性の中で『ない』と申し上げた。しかし徹底的な原因分析、対策を考える上で、過去の事例を踏まえた原因、対策を講じる必要があるため、すでに完了していた鉄鋼グループ各社の4案件についても報告させていただいた」と釈明。一連の不正とは異なる“過去の事例”だとの説明に対し、報道陣から疑問の声も上がった。

 新たに判明した不正の説明は17分で終わり、質疑応答に移った。主なやり取りは以下の通り。

 −−だれが偽装を行ったのか

 川崎会長兼社長「現在、関係者のヒアリングをしている。現時点で数十人規模だが、品質保証部に加えて製造部門の者も含まれている」

 −−「検査の未実施」とは具体的にどういうことか

 勝川常務執行役員「製品の肉厚の検査を2カ所行うべきなのに1カ所だけ行い、もう1カ所は検査せずに数値を記載するといった例があった」

 川崎氏「『データの捏造』ということになる」

 −−不正はさらに増える見通しか

 同「全事業部門で調査を進めており、多くの不正が認められた。アルミ・銅部門は現時点でおおむね調査を終えている。機械事業部門や電力部門などでも実施中だが、調査の進捗はアルミ・銅部門がもっとも先行している。鉄鋼事業部門は製品のサイクルがおおむね3カ月だが、その4倍に当たる1年にわたって調べている。経産省の指示に従って早期に調査を完了したい」

 −−取引先からリコールの費用負担を求める声もある

 同「具体的な金額提示はまだないが、当然ユーザーにかかったコストは相談次第だが、(負担する)腹づもりはしている」

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