一般社団法人使った税逃れ対策強化 来年度改正で政府・与党が方針 所得増税は1300億円

 政府・与党は7日、平成30年度税制改正で、一般社団法人を使った相続税逃れを防ぐための対策を強化する方針を固めた。一般社団法人に移した不動産などの資産に相続税が課されない点を悪用し、子や孫に無税で財産を引き継ぐ節税策が広がっており、親族が役員の多くを占める法人の財産に相続税を課し、税の“抜け道”を封じる。一方、自民党税制調査会は7日の会合で、32年1月から実施する所得税改革に伴う税収増加額が1300億円程度となることを確認した。

 一般社団法人は20年の公益法人制度改革で、登記だけで簡単に設立できるようになった。現在の制度では、株式会社とは異なり、企業の株式に相当するような持ち分がなく、財産を贈与しても相続税がかからない。このため、法人を設立して節税対策に悪用するケースが増えていることを踏まえ、政府・与党は来年度改正で、親族が役員の大多数を占める場合は、移した財産が相続税の対象になるよう制度を改める。

 このほか、政府・与党は同日、東京から地方に本社機能を移した企業に対する税優遇を31年度まで2年間延長した上で拡充する方針も固めた。この制度は、東京23区から事務所や研究施設を地方に移した場合、建物取得価格の一定額を法人税から差し引ける仕組み。現在は、東京近郊や中部、関西の一部都市への移転は除外しているが、30年度の改正では、愛知、京都、大阪、兵庫の4府県を新たに対象に加え、首都圏の一部都市を除いてほぼ全国をカバーできるようにする。

 一方、自民党税調は7日の会合で、年収800万円超の会社員らを増税とする所得税改革案を了承。このほか、企業に賃上げと設備投資を促すため、双方に不十分な大企業に対する法人税の優遇措置を取り消す方針を決めた。平均給与支給額の伸びや国内の設備投資額を基準として、一定水準を満たさなければ、研究開発減税など「租税特別措置」の適用を外して、増税にする。

 いずれも、14日に取りまとめる30年度与党税制改正大綱に盛り込む。

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