リニア中央新幹線工事の静岡工区が着工できていない問題で、JR東海は29日、静岡県に対しヤード(作業場)整備工事の可否とその理由を書面で回答するよう申し入れた。7月3日までの回答を求めている。県は、工事による大井川の流量減を懸念する流域10市町と協議したうえで、期日までに「本体トンネル工事につながる準備工事は認められない」と改めて回答する方針だ。

 同社は一貫して、静岡工区の各ヤードで資材置き場や濁水処理設備の設置といった準備工事に今月中に着手できなければ、令和9年に予定する東京・品川−名古屋間の開業は困難だと主張している。今回の申入書でも「ヤード整備に今月中に着手できるか否かは、開業が間に合うか否かに関わる極めて重要な意味を持つ」と強調している。

 26日に事態打開を目指して行われた同社の金子慎社長と静岡県の川勝平太知事とのトップ会談でも、川勝知事はヤード整備を認めず、同社はリニア計画の見直しが避けられない情勢となっている。