生花と変わらない美しい外観を持ちながら、長持ちする加工を施したプリザーブドフラワーの制作、販売で業績を伸ばしているアミティエノリ。小田賀子社長は、お得意様確保や信頼できる法人とのネットワーク強化などで、こだわりのプリザーブドフラワーを入り口に、業容拡大を狙う。(那須慎一)

 −−企業理念や商品のこだわりは

 「私たちの使命は、花を通して幸せへとエスコートすること、大切な日(のイベント)を成功させること。そして関わる人の人生を成功に導くことです。1つとして同じものはないエピソードや思いに何千件と立ち会う中で見いだしたあり方です。しかし、起業当初は、この花で思いをつなぎたい、目の前のお客さまの笑顔に関わりたいといったぼんやりしたものでした。この花でなくてはいけない理由、私である理由を毎日自分に問いかけ続けてきました。当社のプリザーブドフラワーは『見えないところを誠実に』ということを徹底し、10年キープできる作りにこだわっています」

 −−現在注力している事業内容や主なターゲットは

 「多くのお祝い事や記念日がある中、私たちの仕事は“花を売ること”ではないと自覚したシーンの1つにプロポーズがあります。彼女にプロポーズを予定していて、指輪と花、レストランで花、旅行先で花と考えている男性に、成功するプロポーズフラワーを提案しています。成功後は最適な結婚式場探しをサポートしています」

 −−今に至るご苦労や思いは

 「花制作のスキルアップだけではビジネスにならないと気付いたのは7年前で、営業や集客、人材、経理など、経営者として必要なことには全て挑戦しました。勘で動き、手探りで道を決め、やってダメなら方法を変えるの繰り返しでした。特に自社の事業とこの業種の特性に合った人材による体制にたどり着くのに一番苦労しました。職人からスタートした自分が経営者として変貌することは大変なことでした」

 −−足元の課題は

 「今は販路拡大と売り上げ増大に尽きます。この2点に注力しながら、生産体制を強化するべく、職人メンバーを増やしていきます。さらに、強みを明確にしながら、顧客を共有できる業者などと手をつなぎ、販路を拡大していきたいと思います。例えば、お得意様に特別な待遇を提供するオーナーズクラブのようなコミュニティーを自社で形成し、リピーターやファン層を継続的に大事にできる環境を整えていく構想もあります」

 −−新たに取り組みたい事業や開発案件、ご自身の目標は

 「令和3年3月までに全国10店舗の宝石店とオンライン提携し、プロポーズ(に対応する)チームを結成します。また、今年末までに全国30店舗の良質な生花店と連携し、相互送客を行うチームを形成します。これらを実行するため、各業界向けの営業方法の提案としてオリジナルアイテムを開発中です。例えば、宝石店向けにはプリザーブドフラワーを敷き詰めた中央に宝石を置くスペースを設けた特製オルゴールを開発、提供することで、差別化を図る提案などを考えています。良質で最高のサービスを提供できる会社との連携で、顧客のニーズに確実に応えていきたいです」

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 講評 「理念やビジョンは熱く語るけれど、数字を明言することを避ける女性経営者もいますが、小田さんのビジョンには必ず数字がセット、ロマンとそろばんの両輪がしっかりしていて、有言実行されている。見事にプリザーブドフラワーの職人から経営者へ変貌されました。これからのビジネス展開、プロポーズチームの結成も楽しみです」(るるキャリア代表取締役・内田美紀子)

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 おだ・のりこ

・誕生日 8月23日

・出身地 三重県津市

・最終学歴 常葉学園大(現常葉大)教育学部卒

・主な職歴:金融大手(トップセールスを自負)

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 ■会社概要

・所在地 静岡市駿河区曲金3の6の18

・設立年月 平成24年9月

・主な事業内容 プリザーブドフラワーの制作、販売

・従業員数 2人、職人10人(令和2年6月5日現在)

・資本金 100万円(同)